「コロナ後」の韓国、文在寅がまたまた「日韓対立」を過熱させそうなワケ

韓国に波紋を広げる「元慰安婦の告発」
武藤 正敏 プロフィール

元慰安婦の「告発」の巨大インパクト

元慰安婦問題、元朝鮮半島出身労働者問題、など文政権で提起されている日韓間の歴史問題のいずれにおいても文在寅政権は事実を捻じ曲げ、解決済みの問題を再度提起し、高圧的に日本に対応を変えるように迫ってきているが、これに日本が応じるはずがない。

文在寅氏が新型コロナの抑え込みに成功し、与党が国会議員選挙に勝利して、政権への国民の支持率が60%を超える水準に上昇したため、文政権の体質は忘れられがちになっているが、それは選挙前と全く変わっていないことを再度確認させてくれたのが元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏が、正義記憶連帯(以下“正義連”、韓国挺身隊問題対策協議会、以下“挺対協”の後継組織)に対する告発である。

文在寅政権は、2015年に日韓で合意した、慰安婦問題の解決に対し、政権発足後、外交部に「被害者及び関連団体の反発」を理由にタスクフォースを設け、「合意が被害者中心主義から外れており欠陥が重大だ」という結論を下し、康京和(カン・ギョンファ)外相は、当該合意で慰安婦問題は解決されなかったと宣言した。これは明らかに挺対協(当時)及びこれに寄り添う文政権の意向を反映したものである。

しかし、挺対協、正義連が元慰安婦の利益を本当に代弁してきた組織なのかが問われたのが、李氏による告発である。

 

文政権は慰安婦合意を白紙化することで問題を再提起したが、その解決のためにこれまで日本と真摯に交渉したことはなく、不作為を決め込むだけであり、国内的に正義連に寄り添う格好をしているだけである。ただ、文政権が改めて交渉しようとしても、日本政府が応じないのは当然である。

李容洙氏は、記者会見を開き、「自分たちは騙されるだけ騙されてきた、利用するだけ利用されてきた」、「義援金や基金などが集まれば被害者に使うべきなのに被害者に使ったことはない」と正義連の実体を暴露した。