「触ること」がなによりな情報の視覚障害者

【視覚障害者からの7つの提案】

1.メディアの画像やグラフは「具体的に言葉に」なれば、みんなと一緒に知ることができる

テレビやホームページ、あらゆるメディアには、写真や絵が多く「ご覧の通り」等の説明がありますが、私たちは見ることができません。ラジオのように、言葉にしてください。また、WEBの写真や画像には文字コメントを入れていただけると、私たちは音声で聞くことができます

2.助成金などの説明や申請手段を一緒に考えてほしい

手続きには読み書きが必要で、視覚障害者が一人で行うことが困難です。電話での手続き方法や、担当者が自宅に来ていただけるなど、私たちができる方法を取り入れていただけると安心できます。

3.「もしも」の場合の移動手段を一緒に考えてほしい

新型コロナウイルスに感染したかもしれず、検査に行く場合、病院や保健所等に単独で公共交通機関を使わず行くことは困難です。初めての道、初めての場所、体調が悪い時には、五感が鈍り、状況把握が普段よりできません。国や自治体から、病院や保健所までの送迎をお願いしたいです。

4.「触れること」は私たちが情報を把握するための一つの手段です

公共の交通機関などを含め、あらゆる場所で、触れて周囲の状況を確認している私たちです。そのため、ウイルス感染の恐怖と常に隣り合わせであり、周囲に感染させてしまうのではないかという不安も大きいのです。例えば、電車やバスでは、感染への不安から吊り革や手すりは掴まれません。もし空いている席がありましたら、教えてください。そして、席を譲っていただけると嬉しいです。また、沢山の人たちと同じように、もしくはそれ以上に、視覚障害者もマスクや除菌シート、アルコールなどを必要としていることを知ってほしいと思います。

視覚障害の方にとっては、「触ること」は大切な情報を取る手段。コロナ禍で「買いたいものを決めて触るのはそれだけにしよう」と言われているが、「触らないで」がとても大きなハードルになる Photo by Getty Images

5. フィジカルディスタンスや街の変化を、声で伝えてほしい

そもそも目視で確認ができず、フィジカルディスタンスと言われても、十分な距離をとることができません。また、街中やスーパーの張り紙などが見えません。並ぶ位置や、お店・薬局の張り紙等になにか変わったことなどがありましたら、店員さんに関わらず、ぜひ声で伝えていただけると助かります。

6.  こんなときだからこそ、声をかけていただけると一層あたたかい気持ちになります

以前よりも声をかけてくださる方が減りましたが、このような中でも、気にしてくださる方もおり、嬉しくありがたく思っています。視覚障害者が近くで困っているようであれば、声をかけてください。その際には、横に並んで声をかけていただくと分かりやすいです。誘導していただく時には、手のひらではなく、肘や肩を持たせてください。

7.はっきり、笑顔・笑声を

マスクの下の声からも、十分に表情や感情が伝わります。いつも以上にはっきりとした声で、お互いに笑顔、笑声で、安心できるコミュニケーションをしましょう。

58%が「ひとのあたたかさを感じた」

このアンケートにあるのは、単なる「要望」が書かれているのではない。58%の人が「人のつながりや人のあたたかさを感じた」と回答し、感謝の言葉を綴っているのだ。

「三密が言われ出してからも、駅ホームなどで声をかけてくれ、誘導してくれる人がいる」(視覚)

「ドラッグストアーで買い物サポートをお願いした時、いつも通り一緒に腕を持たせてくれて歩いてくださった」(視覚)

「店舗でも私がきこえないと気付いてくださった方は一生懸命ジェスチャーで伝えようとしてくださったことがうれしかったです」(聴覚)

「病院の看護士さんが、この状況でもマスクを外して対応してくれた。聞こえない不便さをよく理解してくれていたこと」(聴覚)

「オンラインの時、UDトークを使ってもらえるように配慮をお願いしてるが全員がそのようにしてくれること」(聴覚)

こうしたあたたかさは、より一層、心にしみる。そしてコロナのある世界に暮らしていく今だからこそ、より大切になっていく。

文/FRaUWeb編集長 新町真弓

マスクが普通の生活の中に必要な今だからこそ、マスクの下の笑顔は大切だ Photo by Getty Images