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「〇〇不況」の正体〜布マスク2枚の悲劇を二度と起こさないために

誰もが変だと思っているのに…

「それは違うだろ!」ばかりの世の中

目の前に飢えて苦しんでいる人がいる。そのとき適切な行動は次のうちどれか?

1 食べ物を分け与える
2 お金をわたす
3 布マスク2枚を配る

こうした問題を突如、出されたとする。そのときあなたならどう答えるだろう?

「1に決まっているだろ」「いや、2だ」。この二つに迷う。あるいは意見が分かれる。それは十分に想像がつく。だが、

「3」

と答える人はいるまい。すくなくとも、私の周りには一人もいない(と願う)。

だが、現実はちがった。466億円の費用をかけて3を選択する人たちがいた。

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まさか…。

としか言いようがない。が、そう思った直後に、いや、これは十分予想できたことだ、と思い直した。

すくなくとも、自分が社会人になってからこの20年、「それは違うだろ!」を見つづけてきた。「どうして…?」という事態が目の前を通過することが何度もあった。その延長上に、この「まさか」はありえたはずだ。

自分の実感と、どこかよくわからないところで決定される内容との果てしない差。

こうした「実感と現実のズレ」は、私のばあい、1999年に出版社に入社したときから2006年に出版社を立ち上げ現在に至るまでずっと、ある。