コロナ大不況、万が一「倒産」する時に絶対にやってはいけないこと

人生にダメージの少ない事業の畳み方を
神戸 靖一郎 プロフィール

手続きが停滞する

経営者が突然いなくなって家族以外で多大な苦難を強いられるのは従業員である。

まず、従業員への未払賃金がある場合はどうなるのか。

会社が倒産すれば、従業員は労働者健康福祉機構から未払賃金の立替を受けることができる場合がある。勤務していた会社が破産した多くの従業員は、数か月内にここから未払賃金を受け取れることになっているのだ。

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しかし、経営者が自殺したり、夜逃げしたりすると、会社がすぐに法的な破産手続きをすることは難しくなる。

小規模のオーナー企業の場合は特にそうだ。こうした場合に備えて、労働基準監督署長が、事実上の倒産を認定する制度もある。しかし労基署のお役人たちはその会社のことを何も知らない。

そうなると、従業員側が会社の事業活動が停止していることや賃金の支払い能力が無いことなどを、一から証明しないといけない。

その結果、実際に未払賃金を受け取れるまでに相当の時間がかかる。さらに、従業員が失業保険を受けるためには、その倒産した会社が離職票というものを発行する必要がある。

健康保険を国民健康保険に変更するのにも、会社などが発行する喪失証明書が必要である。小規模なオーナー企業では、経営者が自殺したり、夜逃げしたりすると、こうした手続も滞ってしまい、従業員に大きな負担がかかってしまう。