お母さんが突然解雇…コロナショックで「男女格差」が拡大している

非正規女性が真っ先にクビを切られる…
小林 美希 プロフィール

4月7日に公表されたILOの「COVID-19と仕事の世界」第2版の予想では、2020年第2四半期の労働時間の減少は1億9500万人分だったため、そこからはるかに状況は悪化している。感染拡大防止(封じ込め)措置の長期化と拡大が起因しているという。

同レポート第2版では、ウイルス感染拡大防止措置の結果、最も影響を受け危機に瀕する産業部門は、宿泊・飲食サービス、製造、卸売りと小売り、不動産と事務管理だとしている。これらの部門では世界中で12億5000万人の労働者がいて、世界の労働力人口のほぼ38%を占めるという。

宿泊と飲食サービスだけでも世界には1億4400万人の労働者がいて、需要の急減など深刻な影響を受けるが、その半数以上が女性。コロナ禍で仕事をしている医療従事者やソーシャル・ワーカーは世界に1億3600万人いて、看護師、医師、介護職、清掃関連などの70%が女性労働によるもの。ILOは公共スペースやヘルスセクターで働き続ける「特に女性に不均衡な影響が発生する」と指摘している。

〔PHOTO〕iStock
 

さらに、ILOが注視するのは「インフォーマル雇用」。インフォーマルは「非公式」という意味で、インフォーマル雇用とは使用者が社会保障費を払っていない、労働者が有給休暇や疾病休暇を付与されていない場合などの雇用を指す。日本でいうところの、フリーランスや個人事業主、自営業、社会保険に未加入状態の日雇い労働やパートなどの非正規労働者が当てはまる。

ILOによれば、コロナで打撃を受けている業界には自営業や零細企業が多く、宿泊・飲食、製造、不動産、事務管理の4分野だけでも合計でGDPの3割以上を占めている。自営業と小規模企業は世界の小売業の70%以上を占め、宿泊・飲食サービス業では60%近くとなるため、コロナによる経済危機のなかで脆弱性を示しているとする。

こうした状況から、全世界的にコロナによって男女格差がいっそう開くと予想される。今後、コロナが経済に与える影響が鮮明になるにつれ、失業や収入の減る人の数も増えていくだろう。