北朝鮮「対テロ非協力国」指定に「よど号」実行犯が寄せた見解

アメリカには関係ない問題なのに
伊藤 孝司 プロフィール

再び米朝間の交渉材料に

米国務省は、今回の北朝鮮への「対テロ非協力国」再指定の理由ついて下記のように説明する。なお発表文の中で、なぜかこの箇所では北朝鮮を「North Korea」ではなく正式名「Democratic People's Republic Korea」の略称である「DPRK」と表記している。

「1970年の日本航空機のハイジャックに参加した4人の日本人が、北朝鮮に居住し続けた。日本政府はまた、1970年代と1980年代に北朝鮮の国家機関によって拉致されたと考えられている12人の日本人の運命についての完全な説明を求め続けた」

つまり2019年に、「よど号」ハイジャック犯4人が北朝鮮にいたことと、拉致被害者12人の安否を日本政府が求め続けたからだというのだ。だが、本来、どちらも米国には関係のない問題である。安倍首相に「忖度」してのことか、他に指定の理由が見つからなくて無理やり考え出したものではないのか。

平壌で暮らす「よど号」ハイジャック犯たち(2014年9月撮影)

米国が1988年1月に北朝鮮を「テロ支援国」指定をした理由の一つも「よど号」ハイジャック犯を保護しているというものだった。その「よど号」を再び持ち出して、今度は「対テロ非協力国」指定の理由とした。人々の記憶から消え去ろうとしていた「よど号」ハイジャック犯は、米国によって再び北朝鮮との交渉材料とされたのだ。

 
*「よど号」問題については、ハイジャック事件50年に際して詳細な記事を掲載したばかりなので、そちらも参考にしていただきたい。

実行犯が語る「よど号ハイジャック事件」50年目の新事実【上・中・下】

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71341
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71343
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71344