コロナ禍で断捨離、10年ぶりに段ボールから出てきた「ヤバイもの」

嗚呼、あの頃の俺よ…さらば!
高木 敦史 プロフィール

俺の部屋がいつもと違う

ふと考えます。あんなにハマっていたのに、こんなに取っといてあるのに、どうして自分はお面を飾るのをやめたのだろう。そこで、明確な思い出があることに気づきました。

当時の私はあらゆることに無頓着で、布団は敷きっぱなし、漫画は読みっぱなし、服は出しっぱなしで部屋はまさに足の踏み場もない状態が日常化していました。日々怠惰で、パスタを茹でてレトルトのソースをかけただけのものを料理と言い張る人間でした。

そんな人間がある日、夜八時頃に帰宅すると、家の鍵が開いておりました。「あれ?」と思いましたが、鍵をかけ忘れたことは過去にもあるのでさほど気にしませんでした。

 

そのまま家に入り、カバンを置いて電気をつけます。と、少し床が汚れていることに気づきました。とはいえ、これもまあ、玄関と掃き出し窓の間を行き来するときに靴を脱ぎ履きするのを面倒がってスニーカーで部屋を縦断することもたまにはありましたし、さほど気にしませんでした。

私は敷きっぱなしの布団に座り、テレビをつけ、缶ビールの蓋を開けます。そして、さあいつものくつろぎタイムに突入だという瞬間に、初めて違和感を覚えました。布団の上に、枯れ葉が落ちていたのです。いくら私が不精者といっても、さすがに布団を土足で踏んだりはしません。

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これはおかしい。立ち上がってよく見ると、布団には枯れ葉だけじゃなく泥のカスみたいなものも落ちていました。しかも布団を縦断するように汚れが続いています。そして、布団の足元側には掃き出し窓があります。ある予測に囚われ、おそるおそるカーテンをめくってみます。するとガラスが割られいるではありませんか。

サッシのクレセント錠付近だけ、三角形に穴が空いていました。物の本では知っていましたが、本当に鍵の箇所だけ器用に割れるものなんですね。窓を開け、暗くなった足元を携帯電話のライトで照らします。すると軒下のコンクリートの部分に、部屋に向かってくる形で足跡が残っていました。思わず声が出ます。「空き巣だ!」

思いの外声が大きかったようで、隣の人ががらっと窓を開けました。「マジっすか?」と聞いてきましたが、この人はよく夜中まで音楽を聴いていてうるさいから嫌いだったので、生返事だけ返して私は部屋に引っ込みました。