5月21日 金星探査機「あかつき」打ち上げ(2010年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

2010年のこの日、鹿児島県に位置する種子島宇宙センターから金星探査機「あかつき」が打ち上げられました。 

 

「あかつき」の調査目標は金星の大気の3次元的な動きを明らかにし、金星の気象学を確立することにありました。

金星といえば惑星としての成り立ちや大きさ・重さが地球に近いことから、「地球の兄弟星」などと言われることもある星です。

「地球の兄弟星」金星 illustration by iStock

そんな金星ですが、大気は地球と大きく異なり、不思議な動きをしています。

金星の自転周期は243日。太陽系の中で最も自転周期が長い(つまり自転が遅い)惑星として知られています。しかし、その大気は雲頂付近で秒速100mもの速さで流れています。

これは金星の地面が動く速さのおよそ60倍の速度です。

通常であれば地面との摩擦で大気の動きは地面と同じ速さになると考えられていますが、いまだに金星の大気は猛烈な速さで動いています。これは「スーパーローテーション」と呼ばれており、「あかつき」の調査対象のひとつとなっています。

「あかつき」はこの金星の大気を異なる5種類のカメラを用いて3次元的に観測します。

金星に向かう「あかつき」 CG illustration by JAXA

「あかつき」による2010年の周回軌道突入ミッションはメインエンジンの故障によって失敗しましたが、5年の歳月を費やして金星の軌道に追いつき、姿勢制御用のサブエンジンを活用する荒技で見事に周回軌道への突入を果たしました。

ちなみに、2010年の周回軌道突入と2015年の周回軌道突入は奇しくも同じ12月7日に行われましたが、これは計算の都合上たまたま日付が重なっただけのようです。

この金星への周回軌道再突入は世界初の試みであり、高く評価されました。「あかつき」による調査結果はかの有名な『サイエンス』誌に論文として掲載され、スーパーローテーション解明の鍵として大きく取り上げられました。