金正恩「急死騒動」で見えた、北朝鮮が中国に支配される近未来

外交・外事当局者はこう予測している
時任 兼作 プロフィール

「早いか遅いかの違いに過ぎない。いまのような経済・社会状況では、金一族が権力を掌握し継承し続けることは難しい。金委員長は万が一の場合に備えて、今回後継者として妹・与正を指名したという説があるが、それでは国内が治まらないだろう。仮に一時期は何とかなったとしても、長くは続かない。金ファミリーの独裁には遠からず終止符が打たれるはずだ。

そうなれば北朝鮮は混乱に陥り、やがてはどこかの国に頼って新しい体制に移行せざるを得なくなる。その場合、頼るのは中国やロシアでなく、韓国だろう。ドイツのケースを見てもわかるとおり、韓国が手を差し伸べる形で統一へと向かうと見るのが妥当だ」(外事関係者)

 

「中国による支配」の可能性も

しかし、多くの北朝鮮ウオッチャーらは異論を唱える。金ファミリーが朝鮮労働党委員長の座を世襲して君臨し続け、このままの体制が続くと主張するのだ。後継者の最有力候補は、妹の与正だとされる。これが第二の未来図だ。

興味深いのは、第三のシナリオである。

米中のアジア戦略に通じるある外交関係者は、北朝鮮の核兵器に神経をとがらせる米国と、現時点で実質上、北朝鮮の経済や国民生活を支えている中国の動向をより重視する立場を踏まえ、こう語る。

「米中両国は、そもそも北朝鮮国内で暴動や混乱が起こる前に積極的に関与し、それを事前に食い止めるよう動くだろう。したがって、政情が不安定化し国が崩壊するようなことは起こりえない」