ところが――。
5月1日、金委員長は平安南道順川にある肥料工場の竣工式に出席。笑顔でテープカットする姿などを公開した。大どんでん返しであった。CIAも含めて体調不良説・死亡説を採った面々は、見事にしてやられたわけである。韓国の池議員は陳謝に追い込まれた。
一方、怪我の功名というか、この騒動は意外なことを浮かび上がらせた。北朝鮮の「近未来」である。金委員長が死亡した場合、果たして北朝鮮はどんな道をたどるのか……。それについての当局者の見立てや予測といったさまざまな情報が明らかになったのだ。
まずは、北朝鮮に「Xデー」が訪れた際、日本がどのような予測を立てているか紹介しよう。これは、米軍が金委員長暗殺の計画を進めていた当時に作成されたものだが、いまも基本的には変わっていないという。
外事関係者によれば、以下のようなシナリオが想定されている。
この予測によると、北朝鮮は最終的に韓国と合併するという。ただ現在もなお根深い対立感情がある国同士が、そうそう簡単に一緒になれるものなのか。