金正恩「急死騒動」で見えた、北朝鮮が中国に支配される近未来

外交・外事当局者はこう予測している
時任 兼作 プロフィール

金王朝「Xデー」日米のシナリオ

ところが――。

5月1日、金委員長は平安南道順川にある肥料工場の竣工式に出席。笑顔でテープカットする姿などを公開した。大どんでん返しであった。CIAも含めて体調不良説・死亡説を採った面々は、見事にしてやられたわけである。韓国の池議員は陳謝に追い込まれた。 

一方、怪我の功名というか、この騒動は意外なことを浮かび上がらせた。北朝鮮の「近未来」である。金委員長が死亡した場合、果たして北朝鮮はどんな道をたどるのか……。それについての当局者の見立てや予測といったさまざまな情報が明らかになったのだ。

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まずは、北朝鮮に「Xデー」が訪れた際、日本がどのような予測を立てているか紹介しよう。これは、米軍が金委員長暗殺の計画を進めていた当時に作成されたものだが、いまも基本的には変わっていないという。

外事関係者によれば、以下のようなシナリオが想定されている。

1. 北朝鮮国内で食料等を求めて暴動発生
2. 難民が韓国、中国、ロシア、日本などに殺到
3. 北朝鮮軍が中心になって事態収拾に当たる
4. 中国、ロシア、韓国は援助名目で北朝鮮に入り、権益確保に動く
5. 北朝鮮は崩壊状態に
6. 国連が難民対策、食糧支援、平和維持などの分野で介入
7. 同じ民族の国家である韓国に併合

この予測によると、北朝鮮は最終的に韓国と合併するという。ただ現在もなお根深い対立感情がある国同士が、そうそう簡単に一緒になれるものなのか。