先日、芸人の岡村隆史が自身の失言を謝罪する出来事があった。きっかけは彼がラジオで発したコロナ禍に関するコメントだ。

「今は辛抱。神様は人間が乗り越えられない試練は作らない」
「コロナが収束したら面白いことあるんです」
「収束したらかわいい人が短期間ですけれども、お嬢(風俗嬢)やります」

こうした彼の女性蔑視と取れる言葉をネットニュースで見た際、真っ先に僕が思ったのは、彼の言う「人間」に女性やセックスワーカーは含まれていないのだろうかということだった。

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「風俗発言」を冷ややかな目で見ていたけれど…

僕は、20代前半にゲイ男性向けの風俗店で働いていた経験がある。男が男に性的サービスを施す店だ。当時お金を稼ぐために決意して風俗に入ったが、下着姿でプロフィール写真を撮られた時の陰鬱な気持ちを思い出し、岡村の発言は冷ややかな目でいた。

だが、ネットで彼の発言が炎上していくのを見ているうちに、ふと思うことがあった。風俗で働く前、もっと言えば、自分がゲイであることを受け入れられるようになる前、女性はいざとなったら体を売れるからラッキーだと僕自身考えていなかっただろうか。世の中には風俗の仕事に何の抵抗も持たない女性がたくさんいて、仮にそうでなかったとしても、全員自らの意思によって風俗嬢になることを選んでいるのではないか、と。

なので、この記事は決して岡村を糾弾するものではない。むしろ昔の僕も彼の側に立っていたかもしれないのだ。そこにまず立ち返ってみたい。