フルリモート研修を進めていく中で、オンライン会議システム「Zoom」の使い方にも、さまざまな工夫を凝らした。
まず、研修当日に「リモートワークの3つのポイント」を考案。あらかじめ新卒社員に伝えた。
「社内では『シラケのイメトレ』と呼んでいるのですが、『リモートで研修をやると、コミュニケーションの部分でこういう“シラケ”が起こりうるんじゃないか』というのを人事チーム内で話し合い、3つのポイントに落とし込みました。これも4月1日の当日に作ったものです(笑)」
オンラインの環境では、「いかにインタラクティブなコミュニケーションを図るかがポイント」と武内氏は話す。
「Zoomでは、社員も入れると150人近く(※ビジネスコースの新卒社員は125名)が一斉に画面に映るので、みんなの顔が見えることを意識しました。また、リアクションも大きめにして、『OK』だったら指や手で輪を作るジェスチャーをしたり、受講する側は基本的にミュート(無音)なので、表情でリアクションしてもらうようにしました」
リアル研修では、最後列の人の表情が見えにくいが、オンラインならどんな瞬間でも全員の表情が均等に見られる。リアルよりもかえってフラットなコミュニケーションが取りやすいという利点があるようだ。
「インタラクティブ」という点で、武内氏がもうひとつポイントに挙げたのは「チャット機能」の活用だ。
「Zoomの画面上で100人が一斉に挙手したり、ランダムに喋ったりすると乱雑になってしまいます。なので、チャット機能を使って場の盛り上げだったり、社員の自主性だったりが見られるようにしていました。たとえば、『今日の振り返りで言いたいことありますか?』とこちらが問いかけると、チャットで『はい!はい!はい!はい!』と挙手してくれるんです(笑)。チャットの活用で、ものすごいライブ感が生まれました」