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サイバーエージェント「217名の新卒リモート研修」大成功の秘訣

直前の決定、人事と新卒はどう動いた?
マネー現代編集部 プロフィール

突然の変更にもポジティブだった新卒社員

そんな状況で、「完成度は50%くらい」(武内氏)という生煮えの状態で、4月1日に「フルリモート」の研修方針が、それぞれの自宅にいる新卒社員たちに伝えられた。
ところが、彼らの反応は、意外にもポジティブなものだったという。

「新卒社員の側も、コロナに関するさまざまなニュースに日々接していたので、大きな不安を抱えていました。『完全にリモートにしてくれてありがとうございます!』という声が多かったのです。

『役員や人事の皆さんも、直前まで私たちのことを気にかけて動いてくださって…』という感謝の声も頂いて。当社のミッションステートメントのひとつでもある『チーム・サイバーエージェント』の視点を、逆に新卒から気づかせてもらいました

そうは言っても、数日前まで学生だった新卒社員。彼らも、なぜ急な変更をポジティブに受け止めることができたのだろうか。

「ひとつは、採用基準として『ベンチャー志向』を大事にしているという前提があります。サイバーエージェントのビジョンは『21世紀を代表する会社を創る』。大きくてブランドのある会社に入ることより、自分たちで会社を創っていくことが楽しいと
思えるかどうかという価値観を、採用でも重視しているのです。

もうひとつは、内定者としての期間がかなり長く、1年弱あるので、その期間にさまざまな研修を実施しています。その内定者研修でも『自分たちが会社を創るんだ』という視点、そして受け身ではなく主体的に動くことの重要性を繰り返し伝えてきました」

内定者の中には、アルバイトで社員と一緒に働いていた人も少なくない。もともと「ベンチャー志向」を備えた人材が採用され、さらに内定者期間中の研修やアルバイトなどを通じて、サイバーエージェントという会社のカルチャーが彼らに浸透していった。それによって、不測の事態も受け容れる柔軟なマインドが醸成されたようだ。

 

未完成の研修を「自分たちが創っていく」

とはいえ、フルリモート研修は、人事側も新卒社員もまったくの未体験。まさに走りながら考え、実施と検証、改善を同時進行しながら形にしていったという。

「初日にやってみて良かったものは、その日の人事チームの振り返りで『明日はこれとこれを横展開できるからやろう』と話し合い、翌朝には内容をアップデートする。そのように、実際に施策をやってみて、良かったものを次に生かすというベースで、実施、検証、アップデートを繰り返していました」

そして、「完成度50%の研修」だからこそ、新卒社員にも伝えていたメッセージがある。「研修を自分たちで創っていく」というものだ。