「養育費はコロナが収束してから」作戦

また、親権や監護権、面会交流のほかに、養育費の問題もある。

例えばコロナ騒動によって別居親が失業したり、収入が減額された場合、別居親が同居親に支払う養育費の額は減額される方向に働く。そうすると同居親としては、この状態を前提として養育費が定められてしまっては困るので、ともかく今は養育費について合意したくない、争い続けて、相手が収入を上げるまで待とう、という作戦を取る場合もある。

以上をまとめると、すでに別居に踏み切っている夫婦の離婚問題に関していえば、養育費/婚費問題にせよ、面会交流にせよ、親権/監護権問題にせよ、コロナ禍は問題を長引かせ、解決を遅らせたり、激化させる方向に働く。とすれば、コロナ離婚の問題が大きく顕在化するのは、むしろコロナ収束後であろう。

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コロナが終われば。そうしたら妻に、息子に、ああしてやろう、こうしてやりたい、と思っている人も多いだろう。しかし、非常事態宣言がすべて解除され、大都会の経済活動が再開し外出も問題なく行われるようになったとき。経済状況が改善し焦燥から解放され、ほっと息をついて家族を振り返ったとき。そこに、もう家族はいないかもしれない。

その時にはすでに手遅れ。「アフターコロナを見据えて」とよく言われるが、家庭内でも、「アフターコロナ」は見据えられなければならないのである。