別居家庭は対立がさらに深まる

未成熟子がいる別居家庭の場合は、特に影響が大きい。つまり、一方の配偶者(多くの場合妻側)が子どもと共に生活しており、週末に別居親(多くの場合は夫側)と子どもが面会しているような家庭の場合である。

未成熟子と別居親との面会交流は、どうしても手をつないだり抱っこしたり、という身体的接触が多くなる。また、面会交流の場所も、「動物園」「公園」「ショッピングモール」といった場所になりやすい。多くの場合、別居している夫婦はお互いの家に行きたがらないし、子どもがお互いの家に行くことも嫌がるからだ。

そうなると、同居している方の親、特に、できれば別居親と子どもとを会わせたくないと思っている親は、「子どもと別居親をあわせたくない」という感情的な主張が、「別居親が新型コロナウィルスに感染しているかもしれない」「いつもの面会交流の場所が閉まっている」「よって、別居親と子どもとの面会交流は今はできない」というまっとうな、子どものためを思っての主張として通ってしまう

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また、面会交流の日時や場所について、裁判所の調停を利用して決めている夫婦もそれなりに多いのだが、緊急事態宣言発令後、裁判所の調停は全く機能していない。調停は、待合室も調停室の中も、超がつくほど「三密」であったので、まあ、やむを得ないという一面もある。しかし、調停が実施されないとなると、「調停で決まらないのだから次回の面会交流は行えない」という同居親の主張が通ってしまうことになる。

本来、子どもが幼ければ幼いほど、面会交流を頻繁に行い、子どもが別居親との絆を確認することが大事である。一方、子どもが幼ければ幼いほど、面会交流が遠ざかれば別居している親のことをすぐに忘れる。久しぶりに会った親を覚えておらず、びっくりして泣き出したり、人見知りをしたりする。そうると同居親は、「泣いて嫌がる子どもに、無理に面会交流をさせることはできない。かわいそう。子どもも会いたくはないのだろう」という方向に考えがちになる。こうして、面会交流の円滑な実施は困難になり、別居親の方は、「同居親のせいで子どもと会えなくなった。許せない」とますます対立を深めていく。