新型コロナウィルス感染症対策により、外出自粛、リモートワークが叫ばれ始めたころ、「外出自粛によって、夫が家にいる時間が長くなることにより、DVが増える/離婚が増える」のではないか、という話題が出た。

緊急事態宣言から1ヵ月ほどが経過した現段階の私の肌感覚では、さほど離婚のご相談が増えたとは感じていない

むしろ離婚へのハードルが上がっている

それはそうだろう。離婚する、となるとまず離婚後の衣食住の確保、そのための経済基盤を考えなければならない。ところが経済活動の自粛、不況がいつまで続くかわからない、となると、離婚後の経済基盤が不安になる。特に子供がいる女性の場合には、離婚への一歩を踏み出すのに慎重になる。

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また、離婚したいと考えれば別居するケースも多いが、新型コロナウィルス感染症が猛威を振るっている中では、別居のために実家に帰る、という手段を取りにくい。老いた親にウィルスをうつしかねないためである。同様の理由で「兄弟姉妹/友人宅に身を寄せる」という方法も取りにくくなる。こうして別居へのハードルが上がると、さらに離婚への手がかりが少なくなる。いわゆる「コロナ禍」によって、離婚自体が直ちに増えたわけではないと感じる。

一方、コロナ禍は、すでに表面化している離婚問題解決の方向性や、その内容には多大な影響を与えている。