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# 交渉術

悪用厳禁!テレビ通販番組でも使われる「最強の説得話法」とは?

ポイントは 「必要性」と「許容性」
商談、会議、プレゼン……。ビジネスで成果を出すには、交渉力、説得力がものを言う。現役弁護士で『7タイプ別交渉術』の著者でもある谷原誠氏によれば、法律解釈において「必要性」と「許容性」というテクニックがあるそう。そしてこの手法は、ビジネスの場面でも大きく役立つという。重要な交渉で負けないために、弁護士ならではの貴重なテクニックを教えてくれた。

このロジックが武器になる

法律解釈では「必要性」と「許容性」というテクニックがあります。

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このテクニックは、法解釈の正しさを論証するために「そう解釈する必要があり」かつ「そう解釈することは法に違反せず、許される」という論法を組み立てるものです。

たとえば、法律解釈の例で説明すると、傷害罪は「人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」(刑法第204条)と規定しています。身体に暴行を加えることを原則としているのです。

では、身体に暴行を加えずに、病気にさせた場合はどうでしょうか?

この場合、病気にさせておきながら、傷害罪にも、ほかの罪にも該当しないのは不合理な結論です。したがって、傷害罪を成立させる必要性があります。

では、それは法理論として許容できるでしょうか?

たとえ暴行を加えなくても、病気の場合には、身体の生活機能が害されるわけですから、傷害と言えるはずです。また、犯人としても、被害者の生活機能を害する意図を持っていたならば、これを罰しても不意打ちにはならないはずです。

 

このような検討をした上で「この場合には傷害罪が成立する」と結論づける方法があります。この理論構成を「必要性」と「許容性」の議論と言います。

つまり、まず結論の必要性を検討して、その結論を正当化する理論を構築できるか、という2段階で検討するものです。