韓国の「フェミニズム」ムーブメントが達成してきた、これだけのこと

女性による政党も発足した
すんみ プロフィール

「女性議党」は初の選挙となる前述の国会総選挙で21万票の比例得票数を記録する快挙を成し遂げた。もっとも大きな奇跡は、女性たちが自らの「社会的自我」に確かめ、自分の中に潜在していた政治力に目覚めたことだった。今の流れを作り出した女性たちを、韓国では「政治の新人類」と言う。

このような動きの下に、「女性議党」は家父長制の限界を乗り越え、韓国社会を革新させていくつもりだ。国会での男女平等を実現し、女性たちの政治勢力を結集していくためのハブとなれるよう拍車をかけている。

 

連帯の可能性を求めて

韓国の女性は連帯の輪を広げているが、もちろんすべての物事に対して一つの声を上げているわけではない。例えば、2018年から始まった「脱コルセット」運動。10〜20代を中心に広まったこのムーブメントは、社会から強いられた「女性らしさ」「美しさ」に反旗を翻すものだった。女性たちは「#脱コルセット_認証」というハッシュタグとともに、長かった髪をショートカットにした写真、使ってきた化粧品をゴミ箱に捨てた写真などをアップした。

だが、この運動には確固たる共通のルールがあったわけではなく、運動への思いや参加の仕方は人それぞれだった。彼女たちの活動を『脱コルセット』(タバブックスにて刊行予定)という一冊の本に記録したフェミニスト、イ・ミンギョンは、「脱コルセット」運動を13人の女性たちの、13通りの物語としてまとめている。大きな考えを共有しつつ、それぞれ違う相手の考えを打ち消そうとはしない。

もちろん、同じ目標を抱いているとしても、意見が違えば顔をしかめ合うこともあるだろう。女性同士で傷つけ合うこともあるはずだ。それではどのように連帯し得るだろうか。フェミニズム運動に積極的に参加してきた韓国作家ユン・イヒョンの、女性たちの連帯の可能性を模索した小説『包帯巻き』からの引用でこの記事を締めたい。

――あんたが私の考えにいつも同意じゃないってわかってるよ。でも、どこにどう同意しないか教えてくれたら、私も教わるとか、考え直すとか、反論するとか、できるよね。
――私たちがかならず同じようになる必要はないと思う。無理に合わせようとしたって、ケンカばっかりになるしね。同じようになりたいってわけじゃなくて、傷つけられる準備ができたんだ。

【各章の執筆者】
・女性の自己決定権:「堕胎罪」…宣善花(法学博士)
・デジタル性犯罪と韓国の女性たち…木下美絵(出版エージェント)
・「女性議党」の発足…キム・ジュヒ(「女性議党」党員)
・連帯の可能性を求めて…すんみ
・企画・翻訳協力…小山内園子(翻訳者)