韓国の「フェミニズム」ムーブメントが達成してきた、これだけのこと

女性による政党も発足した
すんみ プロフィール

韓国のデジタル性犯罪はインターネットが急速に普及し始めた1990年代から存在し続けてきた。中でも深刻なのが、盗撮やリベンジポルノの問題だ。自分のプライベートな姿が、身近な(自分のごく近くにいる?)誰かによって同意なく撮影・流布され、不特定多数の人に見られているかもしれない。韓国の女性にとって盗撮問題は、日々の生活と常に隣り合わせの脅威と言える。

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「n番部屋事件」の被害者に未成年が多かったと述べたが、韓国の場合、こうしたネット上の性暴力を告発して社会問題化させ、当局を動かしてきた行動主体もまた、若い世代の女性たちだった。その代表的な成果が、会員数100万人を超える韓国最大のアダルトサイト「ソラネット」の閉鎖(2016年4月)だ。フェミニスト市民団体が主導し、サイトを閉鎖に追い込んだが、この運動には、ネット・リテラシーに長けたデジタルネイティブであり、性暴力問題の当事者である10代20代の女性たちが数多く参加した。

その後も江南駅殺人事件と#MeToo運動を経て、性犯罪に対抗する声は一層高まり、強固な連帯が形成されていった。2018年5月から12月にかけ、不法撮影の糾弾と警察の公正な捜査を求めてソウル中心部で行われた「不便な勇気デモ」には計34万人が参加。女性だけのデモとしては過去最大規模を記録した。

先述の「n番部屋事件」も例外ではない。テレグラム上で密かに行われてきた残忍な性搾取の実態を最初に世間に知らせたのは、2人の女子大学生からなる潜入取材チームだった。また、2020年2月にはチャットルームのモニタリングや被害者支援活動を行ってきた複数の女性団体からなる「テレグラム性搾取共同対策委員会」が発足。この委員会は「韓国サイバー性暴力対応センター」や「韓国女性の電話」など9つの女性団体が運営し、さらに24の女性団体が連帯を表明している。