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はっきり言おう、我々はなぜ税金を払いたくないのか?

透明性と公平性がカギ

税金は必要悪か?

進化生物学者で多数のベストセラーを著しているジャレド・ダイアモンド氏は、現在では限られた地域にのみ残されている原始部族社会と現代文明の違いを非常に興味深い視点で切り込んでいる。

ダイアモンド氏だけが指摘するのではないが、せいぜい数十人までの規模の原始部族社会では「専門家」が存在しなかった。首長(リーダー)も、呪術師も、他の人々と同じように狩猟や採集をしなければ食糧を手に入れることができなかった。

生産性が向上して余剰食糧が手に入るようになって、より大規模な社会が生まれた(ただし、因果関係が逆だという説もある)。食糧を生産しない専門家が誕生し、今日我々を悩ませる貧富の差が生まれたのもこの時である。

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そして、社会の規模が拡大するにつれて、社会を支配する階級と支配される階級がはっきりと分かれるようになる。そして(食糧生産の上では)「不労所得者」である支配階級は自分の食い扶持を他人から手に入れなければならない。王族などの支配者だけではなく、その配下のいわゆる役人・官僚・軍人を含めた「不労所得者」を、強制的に徴収する税金で養う必要が生まれたのだ。

もちろん、原始部族社会のままであれば、我々はいまだに半裸で狩猟や採集に頼り、平均寿命が30歳以下の世界で生きなければならなった。したがって、社会発展のために(直接的には支配者階級を養うためであったとしても)「税金は(少なくとも)必要悪」であったといえる。

しかし、税金を徴収される側にそのような理屈は通じない。