「検察庁法改正」の論じ方

検察官と政治との距離はどうあるべきか
亀井 源太郎 プロフィール

そもそもどのような改正か

巷間「検察庁法改正」と呼ばれるものは、「国家公務員法等の一部を改正する法律案」であって、そのねらいは、公務員一般の定年を現在の65歳に引き上げようというものである(201回国会には同名の法律案が都合3本上程されているが、以下、閣法52号を検討対象とする。また、法律案そのものや要綱については、内閣官房ウェブサイトにおいて閲覧するのが簡便である)。

このうち、検察庁法の一部改正にかかる部分は、同法律案要綱によれば、「検察官の定年を段階的に年齢65年に引き上げることとする等、所要の規定の整備を行う」ものである。

より具体的には、

(1)検察庁法22条を改正して検察官の定年を65歳とした上で(定年延長。改正後の同法22条1項。現在は検事総長65歳、その他の検察官63歳)、

(2)定年による退職の特例を認めるほか(検事総長〔検察のトップ〕、次長検事〔検察のナンバー2〕、検事長〔高検のトップ〕については改正後の同法22条2項が、検事・副検事については改正後の同3項が、それぞれ、改正後の国家公務員法81条の7の規定を一部読み替えつつ、定年退職の特例を認める)、

(3)次長検事・検事長・検事正(地検のトップ)は原則として63歳に達した日の翌日にヒラの検事となる(役職定年。次長検事・検事長につき改正後の22条4項、検事正につき同9条2項。なお、正確には検事正は検事から選ばれた者が務める職名であるが、さしあたり、検事正は63歳に達したら地検のトップを下りると理解しておけば足りよう)、

(4)ただし、一定の要件を充たす場合には、63歳以降も、次長検事・検事長・検事正として勤務させることができる(役職定年の例外。次長検事・検事長については内閣、検事正については法務大臣の判断による。前者につき改正後の22条5項、後者につき同9条3項)、

というものである。

 

この(1)~(4)のうち、激しい議論の対象とされているのは(4)であろう。批判者は、(4)の例外にあたるかどうか政権が個別に判断することは政権による検察への介入を招くものであって不当だ、とするのである。