# 借金

「たった3万円」が始まりでした…「ヤミ金」で借金した主婦のその後

本当に「円満な解決」とは?
福田 亮 プロフィール

法的には返済義務は一切ない

毎月1万円ずつ3回払いというところにかなり難色を示したものの、粘り強く交渉した末、「まあ、今回は先生に免じて待つよ。その代わり、3カ月間、ちゃんと事務所が対応してよ」と、一応の和解をすることができました。

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その後、大橋さんは3カ月かけて返済。依頼をして以降、一切の嫌がらせが無かったということです。

ご紹介した大橋さんの事例では、「借りた分は返済する」という方針をとりました。しかし、実はヤミ金から借りたお金は、法的な返済義務がありません(最高裁平成20年6月20日判決)。これは、利息はもちろんのこと、元金についても返済義務がないということです。

本記事では分かりやすさを優先させるため、ヤミ金についても「借りた」「返済」「返す」といった表現をしていますが、本来であれば、これは借金ではないということになります。

なので、「ヤミ金については一切返済しない」という方針を取ることも、もちろん可能です。しかし、大橋さんのような状態になっているとき、「受け取った元金も一切返済しません」と相手方に言ったら、どうなるでしょうか? おそらく、本人の職場だけでなく、ご主人の職場にも嫌がらせをされることでしょう。

ヤミ金からの嫌がらせがあれば、職場にいづらくなってしまうかれしれません。はたしてこれが、円満な解決と言えるのか……。私はそうは思いません。

 

このような点をふまえ、ふくだ総合法務事務所では、あくまで上記最高裁判例の立場に立ちつつも、事案よっては、受け取った金額の限度で返済し、円満解決を図るという方針も採用しております。

ただ、繰り返しになりますが、ヤミ金から借りたお金は、元金を含めて一切の返済義務が無いことを、ここで改めて強調しておきます。

取材・文/稲田和絵