Photo by gettyimages

衝撃のトヨタ「80%減益」予想をあえて出した豊田社長の「本心」

むしろ自信の表れだった

トヨタ自動車は12日、豊田章男社長がインターネットを使った遠隔記者会見を行い、2021年3月期決算の業績見通しを発表した。

決算会見と言えば、数値が前面に出るものだが、会見はむしろ豊田氏の「経営哲学」を改めて強調する場となった。そこからは、豊田社長のある「変化」も感じ取れた。

 

遠隔会見で見えてきたこと

新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の影響を受けて、多くの企業が21年3月期の業績予想を開示できない中、トヨタは敢えて業績予想を公表した。売上高は前年同期比20%減の24兆円、本業のもうけを示す営業利益は80%減の5000億円。当期利益は未定とした。

連結販売台数(出荷台数)の見通しは、195万台減少の700万台を前提として、営業利益を5000億円とした。今後のコロナ危機の情勢次第では前提条件は狂うが、現時点で分かる範囲で敢えて開示した。

同時に発表した20年3月期決算は、売上高が1%減の29兆9299億円、営業利益が1%減の2兆4428億円だった。コロナ危機の影響で台数が減少したことや、自動車ローンの貸し倒れ引当金を積んだことで1600億円の減益要因が発生したことなどが響いた。

Photo by gettyimages

最初に断わっておくが、実はトヨタは21年3月期決算から会計基準を変更して、米国会計基準からIFRS(国際財務報告基準)に移行するので、前期との単純比較はできない。その移行によって、研究開発費の中で量産に近い分は、損益計算書の経費からバランスシートの資産に移るために、利益が増える。その額をトヨタは開示していないが、数千億円近くになる可能性がある。

しかもコロナ危機の収束が見えない中、「営業利益5000億円」の予想が狂ってくる可能性も高い。それでも業績見通しを開示したことに、豊田氏の「意思」を感じる。

「自動車産業はすそ野が広いので、トヨタが基準を示しておけば、(取引先が)なにがしかの準備ができる」と豊田氏は説明した。トヨタには多くの取引先がぶら下がっている。トヨタの生産、販売計画をベースに取引先も設備や人繰りなどの準備をするので、それへの配慮と言える。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら