アベノマスクの圧倒的な「ヤバさ」、やっぱり笑い事では済まない

大変な「掟破り」をしている可能性
加谷 珪一 プロフィール

製品の中身が単純で、仕様が最初から固まっている場合、どこから調達してもほとんど違いはないので、価格がもっとも安いところに発注するのが合理的である。だが、納入された物品の品質や安全性、技術など、価格以外の面についても考慮する必要がある場合、価格以外の項目を点数化する総合評価方式が用いられることがある。だが、総合評価方式も競争入札の一種であり、基本的には決められた仕様の中でもっとも安い事業者を選定するという考え方に立脚している。

入札というのは、すべての事業者に対して公平であることが求められるので、政府はいつどのような物品を調達するのか、官報などに定められた期間、公告を行い、特定の事業者が優遇されることがないよう留意しなければならない。入札の手続きは、会計法や政令で厳格に定められており、恣意的な運用はできない仕組みになっている(現実には入札であっても、談合などが生じるケースがあるがこれは犯罪行為にあたるので、制度の不備とは別問題である)。

随意契約というのは、こうした競争入札にどうしても馴染まない物品や役務の調達についてのみ認められた、例外的な手法である。会計法では、諸般の事情で事業者に競争させることができない場合や、緊急性がある場合、あるいは極めて少額の調達の場合には、特定の事業者に意図的に発注する随意契約を行ってもよいとされている。

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随意契約には「相応の理由」が必要

随意契約は、競争を行わずに調達する行為なので、当然のことながら政府と事業者の間に癒着が生じやすい。また、両者に不適切な関係が存在しなくても、競争がない場合には、価格が事業者側の「言い値」になってしまう可能性は高く、不当に高い買い物を政府が強いられる結果となる。