睡眠時間激減…在宅勤務で「子どものいる女性の負担増」という現実

在宅勤務緊急調査報告(1)
落合 恵美子, 鈴木 七海 プロフィール

家事育児の負担増

ここまでは多くの人々が共通に「困った」と感じていることを見てきた。しかし、性別によって受けとめ方が大きく異なる項目がある。「家事育児」と「家族関係」である。

家事育児の負担については「あなたまたはご家族が在宅勤務になることによって家事の量と家事分担はどのように変わりましたか?」という質問も設けた。その回答のうち、家事総量の増加、自分か同居者の家事分担の増加、食事の負担について言及した割合を図2に示した。

全回答者の3割が家事の総量が増えたと認識しているが、男女の間に差があり、子どもがいる方が、しかも休校・休園中の子どもがいる方が、そう認識している割合が男女とも高い。自分の家事分担が増えたという認識についても、ほぼ同じ傾向が見て取れる。配偶者などの同居者の家事分担が増えたという認識は、女性は少しあるが男性はほぼ無い。

食事の回数の増加やそのための買物の負担について特筆している回答も女性の方が多い。「子供の昼ごはんと夫の昼夜ごはんが増えた」「主人に加え子ども2人がずっといるので、とにかく食事、間食、片付け、心が休まりません」などである。

「パートナーの勤務先付近の商業ビルが休業のためランチ難民となりお弁当作りの追加」というケースもある。「毎日三食を自宅で食べることになり、いつもより食材を多く消費するようになったのに、買い物リスクが高い」と感染を恐れながら買物に出ねばならない窮状を訴える声もある。女性たちは好きでスーパーを混雑させているわけではない。

「ステイホーム」により膨れ上がった家事育児の負担は、「女性」しかも「子どものいる女性」にのしかかっている。この不公平な家事分担が「困ったこと」の認識に反映される。

「子どものいる女性」の36%が「家事育児」に困ったとしているのに対し、「子どものいる男性」では15%、「子どものいない女性」では10%にすぎない。学校の休校や保育所の休園で子どもが家にいる女性では、さらに44%に跳ね上がる。

 

「家事の量が増加し、子どもの世話と、子どもの勉強をみることとが増えたところに、仕事量は変わらないので、睡眠時間が激減した」「保育園に預けられなくなったので、家で夜間勤務になる。一歳半の子供がいる状態で仕事はほぼできない」「子供が構って欲しがるため仕事が進まないけど、仕事の量や成果は変わらない」など、子供の世話をしながらの在宅勤務の難しさを訴える声が延々と続く。

多くの女性が睡眠時間を削り、夜間に自分の仕事をしている。「子供を保育園に預けられなくなり、休業した」という深刻なケースもある。