# 新型コロナウイルス # アパレル

コロナ直撃、アパレル業界の「大量在庫」が行きつく意外すぎる場所

ブランドは“下剋上”と“都落ち”へ!
小島 健輔 プロフィール

2)管理コストも家賃も安いLCC型

セキュリティや金銭出納から従業員食堂までフルサービスの大規模モールに比べると運営管理サービスが限定されるから管理費や共益費が安く(管理費や共益費がないケースもある)、営業時間や店休日を揃えなくても良いなど営業の自由度も高い。

地代も建築費も格安だから家賃も安く、退店時のペナルティも軽い。百貨店や駅ビルがなんだかんだと月坪10万円前後かそれ以上、郊外の大規模モールでも月坪3〜4万円取られるのに対し、月坪数千円から高くても一万円強で済む施設が多い。商業施設のLCC(格安航空会社)と言えば分かりやすいだろうか。

街に出ない人たちが生活圏でショッピングするようになっている photo/gettyimages

何もかもが格安な分、来店客数も販売効率も都心の商業施設や郊外の大規模モールに比べれば相応に劣るが、生活必需品中心の構成だから緊急事態宣言下でも客足も売上も落ちることはなく、むしろ伸びている施設が多い。『スーパーマーケットやホームセンターで衣料品が売れている』という報道は、そんな現状を伝えているのだ。

 

“都落ち”も“下剋上”も厭えない

これまで、そんな格落ち商業施設には目もくれなかったファッションブランドも背に腹は変えられず、緊急事態宣言下でも営業している生活圏のLCC商業施設やそこに展開する量販的な衣料チェーンに在庫処分の販路を求めてアプローチしている。

通常ならあり得ない“都落ち”だが、この状況下では尻込みしてはいられない。

生活圏立地で売れる衣料品は日常的なカジュアル中心で価格も「ユニクロ」の半値が目安だから、もとより手頃なSCブランドはともかく、百貨店ブランドや駅ビルブランドは価格がかけ離れて処分販路にならないと思われるかもしれない。

しかし、日に日に腐っていく季節在庫を抱え資金繰りに窮するブランドにとっては調達原価を回収できれば御の字で、7割引、8割引でも二次処分業者に叩き売るよりはマシなのだ。お手頃なSCブランドや駅ビルブランドなら5割引で折り合うのではないか。