バターや小麦粉がスーパーにない。客の立場で言えば、行ったときにたまたま売り切れなのかもしれない。それが「本当にないのだ」ということを目の当たりにしたというのが、現在スーパーに勤務する風間詩織さん。もともと料理本の編集者だったが、居酒屋チェーンの会社に転職。居酒屋休業をせざるを得ない現在は、会社が斡旋したスーパーで勤務している2児の母だ。なにせ風間さん、粉ものラバー。週に2回はパンやピザを自分で焼き、お菓子作りも大好き。それでも、今はそんなふうに大好きなものを作ることができないのである。

そこで風間さんが今回ヘルプを頼んだのは、人気料理家の飛田和緒さん。『常備菜』では料理本大賞を受賞し、コロナ自粛の今、電子書籍として買ってすぐスマホで読めるオリジナルレシピブック『わが家の定番 家族ごはん』も3冊刊行したばかりだ。材料がなかったらないもので美味しくつくる天才の飛田さんに風間さんが聞いたこととは――。

スーパーで働いてわかった
「品切れベスト5」

コロナ禍による外出自粛が続く中、勤務する居酒屋の休業を機に、近所のスーパーで働かせてもらうことになりました。

勤務先のスーパーマーケットは、平日の朝から入場制限を設けるほどの賑わいを見せています。ひと月ちょっと前のトイレットペーパー騒動の時は、さらにすごかったと言いますが、それでも連日の盛況で、食品売り場では、飲料水、冷凍食品、お惣菜、お弁当と、毎日飛ぶように売れていきます。

客としてではなく、スーパーで働くといろんな発見がある Photo by Getty Images

勤務をはじめて1ヵ月、毎日「個数制限」「欠品表記」の札が毎日かけられる棚がありました。米? いえいえ。インスタント麺? パスタ? どれも一時の狂乱からすっかり落ち着いています。実は、私が勤務するスーパーでのここ1ヵ月の「品薄・欠品ランキング」は以下の5つでした。もちろん、お店によっては売れ行きがある程度異なりますので、ご了承ください。

第5位 納豆

毎日複数メーカーから何箱も入荷されるのに、夕方には完売。1日3回に分けての品出しも、並べているそばから売れていきます。ですが、過去にも「○○に効く」という情報が流れるたびに、こうした状況を経験してきた売り場の方々は、慣れたもの。毎日大量注文、大量入荷。大抵のお店で毎日販売していますので、ご安心ください。

第4位 クリームチーズ

ゴールデンウィーク前、「品薄です」と言われても、売り場にはきちんと並んでいました。が、ゴールデンウィーク中に、突然姿を消したクリームチーズ。「とけるチーズ」「スライスチーズ」「さけるチーズ」はもちろん、「カマンベール」「ブルサン」「チーズフォンデュ」などのちょい高チーズも棚に補充できるのに、クリームチーズの棚だけはさびしい空白。とはいえ、品薄なのは需要が高まっている、製菓・料理用の塊だけ。少々割高にはなってしまいますが、キューブはきちんと並びます。

第3位 生クリーム

入荷はするし、日によっては2段重ねで並べられる日もあるのですが、実は入荷予定が未定とされているアイテムなので、品切れになることも。動物性乳脂肪分が多いものの方が、より需要があるようです。

第2位 バター

入荷数がわずかで、その入荷日も未定というのが最近の状況です。雪印、森永、よつば、カルピスなどのメジャーブランドは、ほとんど見られなくなりました。それでも、長年勤務している先輩スタッフによれば、「毎年のクリスマス前と一緒」だそう。買い占めさえおきなければ、自然に回復するはず、とのことでした。

第1位 小麦粉類

薄力粉とホットケーキミックスが、手に入らなくなりました。勤務して1ヵ月の間、入荷もゼロ。さらに強力粉、お好み焼きの粉、たこ焼きの粉からぺーキングパウダーまで、粉類全般を見かけません。勤務のない日に、他のスーパーも見たのですが、同じく棚はからっぽ。ならばと、ママ友ネットワークで聞いてみたところ、7人全員から「〇〇店、なし」「△△店もない」という返事がきました。
店内でも「どこにある?」「いつ買える?」と聞かれていますが、お答えしようがなく、申し訳ないのが現状です。