加速する安倍政権の終焉…次の首相に手を挙げる「イマイチな顔ぶれ」

安倍に直訴した3人の議員たち【後編】
戸坂 弘毅

「岸田さんなら私の方が…」

「夏ぐらいまでに、目指す日本の将来を本にまとめようと思っている」「自分の考えに賛成してくれる人を集め、仲間づくりをやっていきたい」。稲田は3月上旬、時事通信のインタビューでこう述べて、次期総裁選への立候補を目指す考えを表明している。

実は、稲田はそのしばらく前に安倍と面会し「本気で次の総裁選に出馬したいんです」と理解を求めていた。

安倍は「そんなに焦らなくてもまだ時間はある。次は派として岸田さんを推すことを検討しているので、協力してほしい」と説得したが、稲田は「岸田さんですか~? 失礼ながら、岸田さんなら私の方が能力はあると思います。私ではダメなんですか?」と抵抗。安倍が仕方なく「それでは、自力で推薦人を集めてごらんなさい。(立候補に必要な)20人集まらなかったら、私に協力して欲しい」と切り返したところ、稲田は不満顔で部屋を出て行ったという。

 

そうした経緯もあって、安倍は稲田がこれほど早く立候補を表明するとは思っていなかったようだ。周辺に「稲田もあんな失敗をしたのに、自分のことが分かっていない。もっと目立たないところで汗をかかないと。20人の推薦人など集まるわけがない」と呆れ顔で漏らしたという。

だが、そもそも安倍が稲田を抜擢し続けたことに強い不満が燻っていた細田派内では、幹部からも「あれだけの大きな失敗をしたのに、わずか2年で幹事長代行という要職に起用するなど、首相が稲田を甘やかしてきたからだ。彼女を増長させたことを反省してほしい」との声が出ている。