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加速する安倍政権の終焉…次の首相に手を挙げる「イマイチな顔ぶれ」

安倍に直訴した3人の議員たち【後編】

過去の醜態を忘れたかのように

自民党の次期総裁選――「ポスト安倍」の椅子をめぐって、安倍の出身派閥である細田派=清和政策研究会の中で、今年に入ってから想定外の動きが相次いでいることは、ほとんど知られていない。

安倍は以前から首相続投の意欲がないことを周囲に漏らしていたが、昨秋、その意思が固いことが細田派内に伝わると、年明けにかけて安倍の下を訪れて「派の代表として総裁選に立候補したい」と言い出す議員が派内から3人も相次いだのだ。

その筆頭は、安倍首相の秘蔵っ子として、わずか当選3回で行革担当相として入閣、当選4回で自民党政調会長、防衛相と極めて異例の厚遇を受けてきた、幹事長代行の稲田朋美だ。

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周知の通り安倍の寵愛を受けてきた稲田だが、防衛相在任時、都議選の応援演説で「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」という失言をしたのに続き、破棄したとされたPKO部隊の「日報」を陸上自衛隊が密かに保管していた問題では、防衛省や自衛隊を全く統制できない醜態を晒し、途中辞任した。

党内のやっかみを無視して抜擢人事を繰り返した安倍は当時、周辺に「清和研に皆が認める総裁候補がいないから、育てようと思って稲田を使ってきた。他派との駆け引きをする上でも、自分のところ(派閥)に首相候補がいないと迫力が出ないからね。『女性初の首相』という看板も立つし、女性だから派内のやっかみもまだ少ないだろうと考えて抜擢したんだが、その任になかったね」と本音を漏らしていた。

そんな経緯をすっかり忘れたかのように手を挙げた稲田に、安倍も意表を突かれた。