安倍首相「人生の出口戦略」はコロナですべて吹き飛んだ

安倍に直訴した3人の議員たち【前編】
戸坂 弘毅

不測の事態

ところが、そこに新型コロナウイルス禍が降りかかってきた。「花道」のつもりだった東京五輪が1年延期になったことで、上記の退陣シナリオは吹き飛び、ゼロから考え直す必要が出てきた。

「五輪誘致に成功した首相が、現職のまま開会式に出席したケースは、世界的にもほぼ例がないんだ」と安倍は折に触れて漏らしてきた。東京五輪を首相として迎えたいという強い思いを抱いていることは間違いない。

 

だが、延期後の五輪とパラリンピックが終わる来年9月は、自民党総裁としての任期切れと重なる。そうなると、フルスペックの総裁選を行わざるを得ない。

ここ半年ほどのマスコミ各社の世論調査で、石破人気はさらに沸騰している。「次の首相候補」でいっとき高い支持率を誇った小泉進次郎が、昨秋の環境相就任から人気を低下させ、その分石破を支持する人が増えているのだ。

小泉進次郎(Photo by gettyimages)

小泉人気の下落は安倍の狙い通りだったが、石破の支持が増えたのは誤算だった。一方で、安倍の意中の候補である岸田の支持率は5〜6%と低空のまま、上昇する気配はない。