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コロナ危機からの「復興」、日本は「大失敗」を繰り返すのか

「緊急事態」とは何だったのか

コロナ禍後の復旧・復興という視点から

災害を英語でデザスター(disaster)という。不吉の星を意味する。

パンデミックはまさに不吉の星があらわれて予兆し、一気にその現実が進行する、そういうタイプの災害である。星が空を去った時が収束の時である。

災害が発生した時、私たちは、それがもたらした破局からいかに脱するかに力を注ぐ。

が、その危機が予知可能であり、かつ回避可能である場合には、まずは徹底してその危機の回避に努めることになる。

地震や津波はいきなりくる。これに対し、感染症は予知でき、予防できる。星の予兆に早く気付けば、予兆を予兆で終わらせることができる。

新型コロナウイルス感染症に対する今回の緊急事態宣言は、生じた破局への対応ではなく、迫り来る危機を回避するためにとられた防衛手段である。

その緊急事態宣言から1ヶ月をこえ、感染そのものは減少傾向にあり、この14日には39県で解除がなされた。オーバーシュートによる破局はとりあえず避けられたようであり、のこり8都道府県も早ければ21日に解除との見通しもでている。

だが、いまの私たちはどうも、危機の回避に気を取られて、災後のあるべき姿について、おろそかになってはいないだろうか。

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災害は発生後も長期にわたって影響する。

この感染症にはなお再発の可能性が高い。

が、それとともに、この災害を回避しても、それがもたらしたかもしれない危機を回避するためにとられた手段が、その災害がもたらすはずの直接的被害とは別のところに多くの間接的被害を与えている。

犠牲になっていたであろう人の犠牲が回避されたかわりに、別の人が別の形で犠牲になっている。

感染は天災だが、その間接被害は人災だ。なのに国は、緊急事態宣言の解除で「もう国には責任はありません。あとは都道府県で対応し、事業者がガイドラインを作成し、国民が新しい生活様式を採用すれば感染症は防げるものです」と、責任回避を図っているように見える。このパンデミックによる被害は、今後ますます複雑で入り組んだものになるだろう。

 

ここではそうした被害からの復旧・復興のあり方について、今おきていることを照射しつつ、考察してみたい。

というのも、コロナ後をむかえるにあたって、すでに非常に問題と思える状況が我々の前に現れているからである。

不吉の星は、オーバーシュートの回避で消え去るわけではなさそうである。