5月 12日 北アメリカ航空宇宙防衛司令部創設(1958年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1958年の今日、北アメリカ上空の観測・監視のため、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command:NORAD)が創設されました。

NORADはアメリカとカナダの2国からなり、北アメリカ大陸の上空を24時間体制で監視し、危険があった際にすぐ防衛体制をとれることを目的としています。この組織の創設のきっかけは、冷戦の深刻化でした。

冷戦の勃発以前からアメリカ・カナダ両国は北アメリカの対空防衛について協力すべきだと考えており、第二次世界大戦中にも一時的な対空防衛協定を結んでいます。しかし冷戦が勃発したことで、さらに強力で、かつ恒常的な協力体制が必要になりました。

NORADが所有する戦闘機 Photo by NORAD

そこで、1954年に大陸防空司令部(Continental Air Defense Command:CONAD)が設立されます。これがさらに強化されて創設されたのが、NORADなのです。NORADは現在でもミサイル警戒システムのBMEWSやレーダー探知システムのPARCSなど多くの警戒網を運営していますが、実は彼らにはさらに重要な任務があるのです。

 

その任務のはじまりは、CONAD時代の1955年。コロラド州コロラドスプリングス(Colorado Springs)市の新聞に、シアーズという百貨店の広告が掲載されます。その広告には、サンタのイラストとともに「私に電話して。」と書かれており、シアーズの電話番号が掲載されている……はずでした。

しかし、その電話番号は誤植で、実際にはCONAD本部に直通する番号だったのです!事情を知らない子どもたちは、サンタクロースと話をしたくてCONADに電話をかけました。電話を受け取ったハリー・シャウプ(Harry Shoup、1917-2009)大佐は、はじめは他国からの攻撃かと大変驚いたそうです。しかし、事情を知ったシャウプは、子どものためにサンタクロースに扮して子どもと話してあげました。

この出来事をきっかけに、NORADでは毎年12月23日からクリスマスにかけて、職員たちが最新鋭の機器を存分に活用してサンタクロースを追跡しています。もっとも、NORADによるとサンタは星の光より速く、追跡はとても難しいんだとか。

しかし最近は、NORADに護衛してもらうためにサンタも速度を落としているそうです。あなたがその目でサンタクロースの正体を捉える日も、そう遠くないかもしれません!

サンタクロースの追跡にいそしむNORAD職員たち Photo by NORAD