コロナ禍「アパレル壊滅」の中、ワークマンが一人勝ち「真の理由」

強みは商品開発力だけではなかった

窮地の3月・4月に見せた「底力」

日本全国の郊外ロードサイド立地を中心に868店舗を展開するワーキングウエア(作業服)チェーン、ワークマン(20年3月末現在、うちワークマンプラス業態は175店舗)。

地味なアイテムを販売する存在ながら、アウトドアやタウンウエアとしても使える機能的コスパアイテムがあるということで、18年からSNSで話題となり、さらにメディアやバラエティ番組でも頻繁に取り上げられることによって、昨年、一般ユーザーにも一気に知名度を高めた急成長中チェーンだ。

 

従来の作業服、作業用品需要以外に、アウトドアウエア、スポーツウエアを強化し、一般顧客の需要を増やしたことで、20年3月期のチェーン全店売上高は1220億円(前年比31.2%増、既存店売上高25.7%増)、営業利益は191億円(41.7%増)と9期連続の最高益を計上した。

新型コロナウィルスによる外出自粛、商業施設の休業が続く3月、4月のアパレル流通市場の中でも、3月の既存店の売上高前年比は17.7%増、4月も5.7%増。多くの上場アパレル専門店が3月は前年比25〜30%減、4月は60〜70%減といった窮地の中でも、前年比増収を続ける。

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もっとも、同社は都心の駅ビルや近郊のショッピングセンターに出店する外出自粛、自主休業の影響を大きく受けた他社と比べて事情が違う。

まず、郊外ロードサイド立地に単独で出店している、社会インフラを支えるプロ向け店舗ということで、休業店舗が極めて少なかったこと(同社がHPで発表しているのはショッピングセンター内の9店舗の休業のみ、その他数日間の休業や時短営業店舗はあり)。次にメイン客層である「社会インフラに関わる働く人」の現場は稼働中であり、その需要に応え続けていたこと。また、4月は現場工事の自粛・中止はあったものの、一方でもともと取り扱っていた感染予防、衛生用品の需要が高まったこと。

そのため、他のアパレル専門店と対前年比の業績比較をして、ワークマンプラス(スポーツウエア・アウトドアウエア)が好調のため、という指摘は適切とは言えない。

一般メディアでは機能性商品開発力やコスパばかりが取り上げられることが多いが、当記事では、そういった表に見える商品力を裏で支える、同社の本当の強さ=ビジネスモデルに注目してみたいと思う。