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休校中に「宿題が出せない」「個人情報流出」大手教育アプリに怒りの声

根本にある「調査書強化」への疑念も

無意味な仕事が増えただけ

「大学入試改革で英語外部試験の実施延期と、国語・数学の記述式問題の導入見送りは、大きなニュースになりました。しかし、調査書強化の問題は見過ごされたままです。調査書を一般入試で点数化する大学はほとんどないでしょう。意味がない作業に、現場の負担は増えるばかりです。導入を見送るべきではないでしょうか」

こう話すのは、都立高校に勤務し、進路指導の経験も豊富な教員だ。

この教員が言う「調査書の活用強化」は、大学入試改革の一環で、受験生の「主体性等」を適切に評価するため、高校から提出される調査書(いわゆる内申書)を従来よりも重視して合否を判断するもの。現在の高校3年生の大学入試から実施される予定だ。

調査書の活用強化によって大きく変わったのが、これまでは書類1枚が基本だった調査書に、枚数の制限がなくなったことだ。これにより、今まで以上に生徒の学習状況や課外活動の記録を細かく記述しなければならず、教員の仕事量が増えた。

しかし、これを大学がどのように評価するのかについては、現在までほとんど明らかになっていない。そもそも評価に使うと表明している大学も少ないのだ。

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「調査書の活用が決まった3年前には、教員はどうすればいいのかわからず慌てました。混乱しながらこの3年を過ごしてきましたが、結局、ほとんどの大学は一般入試で調査書を使う気配がありません。入試改革の手段としては形骸化しています」

多くの高校では、この調査書の作成のために「eポートフォリオ」を導入している。これは、部活や課外活動など、生徒1人ひとりの活動の記録をデジタル化して残すシステムだ。しかし、eポートフォリオの活用にも、どうやら問題が生じているという。