中国ではマスクの自動販売機が設置されていた photo/gettyimages
# 新型コロナウイルス

中国アリババ、ファーウェイの「コロナ対策」が国家を超えていた…!

中国発「コロナ・テック」のヤバい実態

新型コロナウイルスの感染拡大は、依然として日本、そして世界に深刻な影響を及ぼしている。このほど『2025年のデジタル資本主義:「データの時代」から「プライバシーの時代」へ』を上梓した立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は、「中国で感染爆発が比較的早期に終息に向かった背景には、デジタルテクノロジーを駆使した中国テック企業の存在があった」と語る。一企業が国家レベルを超えるほどのコロナ対応力を見せたわけだが、そんな中国「コロナ・テック」の知られざる最前線をレポートする!

学校に通う生徒の「体温」がディスプレイに表示される photo/gettyimages

BATHのテクノロジーが「コロナ」を封じ込めた…!

前回の寄稿(『「コロナ後」の世界では、国家、企業、社会はここまで激変する…!』)では、「アフター・コロナ」の世界で企業や国家に起こる変化について考察した。今回取り上げるのは、コロナ禍において「中国式デジタル資本主義」の威力を世界に見せつけた、中国のテック企業である。

米国は、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼び、中国が透明性のある迅速な初期対応をとらなかったことなどについて、中国を非難している。感染拡大の根源的な原因はまだ明らかになっていないが、武漢を発端にウイルスが世界各国に拡散していったことはまぎれもない事実であり、中国が批判を完全に免れるものではないだろう。

しかし、その一方で、中国の対応に目覚ましいものがあったことも、また事実である。

中国ではコロナ感染拡大が収まりつつある photo/gettyimages
 

中国は、震源地とされる武漢市が4月8日に1月23日から実施していた事実上の封鎖措置を解除するなど、感染拡大を早期に収束させたとしている。感染爆発が終息に向かう中で、BATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)など中国テック企業が「検査と隔離」、また経済支援に果たした功績は大きかった。デジタルテクノロジーを駆使した彼らの施策は、日本におけるアフター・コロナの世界を占う上でも、意味がある。

筆者としては、価値観的に「中国式デジタル資本主義」を首肯する気持ちにはなれないが、日本や日本企業がその動向を注目していくことは重要になると考えている。本稿では、新型コロナウイルスの感染拡大に対して、中国テック企業がデジタルテクノロジーを利用してどのような手を打ったのかを概観したい。