5月10日 アメリカ最初の大陸横断鉄道が開通(1869年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1869年のこの日、アメリカ最初の大陸横断鉄道が開通しました。

 

この当時のアメリカは南北戦争を終え、国全体で資本主義への道を歩みはじめたばかりでした。

まだ西部開拓は終わっていませんでしたが、大陸西部で行われていた牧畜はかなりの利益をもたらします。映画などでよく見るカウボーイが活躍したのがこの時代です。

西部アメリカで大活躍したカウボーイ Photo by iStock

しかし、アメリカはただでさえ広い土地を持った国ですので、大陸の各都市をつなぐ交通網の構築が急務でした。

その端緒となったのが大陸横断鉄道です。

1869年5月10日、ネブラスカ州のオマハから起工したユニオン・パシフィック鉄道とカリフォルニア州のサクラメントから起工したセントラル・パシフィック鉄道という東西から伸びる2つの鉄道がユタ州のプロモントリーで合流し、大陸横断鉄道が完成しました。

前者は母国の飢饉から逃れたアイルランド移民を、後者は「苦力(クーリー)」と呼ばれる中国人移民をそれぞれ労働力としていました。

ちなみに、この時ユニオン・パシフィック鉄道の建設に従事したアイルランド移民たちが歌いはじめたとされるのが、日本でも有名な『線路は続くよどこまでも』の原曲です。

この曲はもともと大陸横断鉄道での労働の辛さを表現したもので、津川主一(しゅいち、1896-1971)が最初に訳した歌詞によると最後は「ツルハシを置いて 息絶える」と歌われます。

大陸横断鉄道が接続した時の様子 Photo by Getty Images

大陸横断鉄道の完成からしばらく、アメリカは大規模な鉄道網を構築します。これによって工業や農業などさまざまな特色を持った各都市が繋がり、現在まで続く大国・アメリカの基盤となっていきます。

また、横断鉄道の完成によって西部への移住が促進され、1890年には「フロンティア」と呼ばれていたアメリカ西部に広がった未開拓地域の消滅が宣言されました。

ところで、この1869年は地中海と紅海をつなぐスエズ運河が完成した年でもあります。同じ年に世界の各地で交通の要となる建築物が完成したと考えると、非常に興味深い出来事ですね。

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