独自の対策を進むスウェーデンの現状は

「子どもたちの毎日、そして権利を守ること。それが私の仕事です」

コロナ感染拡大が世界各地でいまだ止まらない混乱の中、子どもたちだけのために、正式な政府記者会見が開かれた国がある。それは私がいま留学しているスウェーデンだ。

日本でも報道されているようだが、スウェーデンは、集団免疫を獲得するという独自対策を取っている。ロックダウンはせず、代わりに国民に「責任ある行動」を求め、他者と距離を保つ「社会的距離」の実行を呼びかけているのだ。

5月10日現在、新たな感染者数や集中治療が必要になる人の数は減ってきており、このまま事態が収束に向かうのではという見立てがされている。とはいえ、トータルで見れば他の北欧諸国よりその数は多く、米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、死亡率は4月30日時点で12%超えた。科学者などからは都市封鎖をすべきという意見も上がり、対策については議論が上がっていることも確かだ。

しかし、周りのスウェーデン人を見ている限り、この政府の方針に対して大きな不満を抱いている人は少ない。むしろ「ロックダウンのように完全に選択肢を奪われることは国民性に合わないからそれこそ反発を生むだろうし、各自の判断に任せる今のやり方がいいと思う」という人が多く、政権の支持率も上がっている

スウェーデンの子どもの中で、今世界で最も有名なのはグレタ・トゥンベリさんだろう。彼女は3月にコロナのような症状となり、PCR検査はあまり受けられないため自宅で2週間隔離生活をするとインスタグラムに綴った。環境問題などで「おかしい」と思うことに対して声をあげ続けているグレタさんだが、スウェーデン政府に対して反対意見を表明はしていない グレタさんインスタグラム @gretathunberg より

実際、あくまでも「要請」というやり方でもそれなりに機能はしていて、スウェーデン人にとっては日本のお盆のように一斉に帰省をするイースター休暇では、ストックホルムやヨーテボリといった大都市からの移動が9割以上減ったというデータもあるほどだ。この根底には、「市民と政府の信頼関係」があるように感じている。そのひとつの象徴でもあると私が感じたのが、今回紹介する「子どもを対象にした政府の記者会見」だ。

子供向けの新聞『SVD JUNIOR』でもトップ記事で紹介。撮影/福田和子