「ポジティブな文句を言う」ことが問題発見のコツ

『問題発見力を鍛える』vol.12
細谷 功 プロフィール
 

これがここでいう問題発見の難しさで、要は「あえて普段から意識していないとできない」ということです。これは人間関係でも同様で、ついつい他人の愚痴が多くなるのは、勝手に自分で設定した期待値に対して相手がネガティブな方向に行っているのを見つけるのは簡単なのでそうなるわけです。

上司と部下の関係しかり、会社のあり方、ひいては国家のあり方しかりです。「文句をつける」という問題発見に対して「こうすればもっとよくなる」という問題発見は常にこのバイアスを意識して、「文句を言いたくなったときにそれをぐっと我慢してポジティブ側に変える」という思考の習慣を持っているかで大きな差が出てきます。

別の表現をすれば、「文句ばかり言っている人」というのはある意味「問題を見つける」ことのプロフェッショナルなわけで、これをポジティブに変えることでさらに前向きで普通の人ができない問題発見ができるようになるのです。

皆さんが最近感じた不満を思い出して、それを「負の問題」に終わらせずに「正の問題」に変えてみてください。非常事態宣言でとかく不満がたまる中、少しでも前向きな「コロナ後」の未来が描けるのではないでしょうか?