5月4日に緊急事態が延長された日本では、引き続き自粛生活を続けることが余儀なくされ、深刻な経済状況に警報が鳴らされている。

一方、完全なロックダウンによって戦後最大の経済不況に陥りつつあるフランスでは、封鎖中に「約6万人もの命が救われ、医療崩壊を免れた」ことを布石とし、未だ感染の危機に国土を震わせながらも次のステージへと駒を進める。1日330人もが死亡(5月5日24時間以内の統計、死者合計約2万5500人)しているにも関わらず、ロックダウン解除は強引に既定路線となった。

いずれどこの国にもやってくる「解除」は、まるで見ず知らずの世界に放り出されるかのような不安に支配される。今回は、「半強制的」にも解除のカウントダウンが始まったフランスで、特に反発が多い「学校再開」に目を向けてみたい。

地域別「レッドゾーン」の更新で「解除」を判断

解除に向けた日が迫ってくると、政府は県ごとに解除か否かの決定を下すバロメーターを発表した。4月30日には、フランス本土と海外県、計101県の地図を緑、オレンジ、赤の3色に塗り分け、「レッドゾーン」となった県については引き続き封鎖を続ける策を打診。ICUのベッドの空き状況や救急搬送された患者数などによって色は決められ、夕方になると毎日更新される。大阪の吉村知事が「解除の目安」について言及していたが、それを色分け、可視化したものだ。

フランス政府が出している「地域別バロメーター」。7日に色が決定され、下の図のようにオレンジだったフランス北部はほぼレッドゾーンに変更された CORONAVIRUS : CARTE DE FRANCE DU DÉCONFINEMENT PAR DÉPARTEMENT LE 6 MAI 2020

この地図は、7日に赤か緑に色が決定されることになり、11日からの国民の生活を左右するものとなった。同時に、地域民がロックダウンをきちんと守り続けることで感染が失速すれば封鎖が解け、少しは自由な生活を送られるようになる、というお達しのような役割をも果たしていた。

そして7日はこのように、北部のオレンジ部分はほとんどレッドに、それ以外はグリーンになった。1日での変化も不安になる CORONAVIRUS : CARTE DE FRANCE DU DÉCONFINEMENT PAR DÉPARTEMENT LE 7 MAI 2020

一方、学校関係者にとって、このコロコロ変わる色分け地図は非常に厄介な存在でもあった。娘の小学校の県域は当初「レッドゾーン」であったにも関わらず、5月4日時点で学校再開に向けたメールが各家庭に送られてきた。そこには、11日からの子供の登校、給食・学童利用の有無を問う質問用紙が添付されていた。

7日の時点で該当地域がレッドゾーンになれば、学校は再開されないことになっているはずだ。それでも、刻一刻と変わる感染状況を踏まえ、さらに政府の朝令暮改に振り回されながら、全ての学校が再開の可能性に向けて動かざるを得ない状況にある。特に最初からレッドゾーンが続いていたパリを含むフランス北東部の各学校とその教師たちは、頭を抱える事態となっている。レッドゾーンであっても市や県が再開を指示さえすれば、そのまま開校せざるを得ないという矛盾が存在しているのだという。