9歳年下の彼と専門学校で知り合う

みち子さんが結婚したのは32歳で、元夫は9歳年下だった。みち子さんは看護学校を卒業後、大学病院に長く勤めていたが、違う仕事がしたくなって、10年経ったところで辞めて製菓・製パン専門学校へ。そこで知り合ったのが元夫。まだ23歳と若かったが、「なんか懐かれちゃって(笑)」。

初めは弟のような気持ちで接していたが、「パン屋を開きたい」という夢を語り合ううちに意気投合。「一緒に店を持とう」と口説かれて結婚。元看護師でしっかり者のみち子さんと、職人肌で頑固だが、実はさみしがりやの元夫。まあ、よい組み合わせだったと言える。

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結婚後、まずは元夫が修行していた店の支店を任せてもらう形で店を始めた。住まいは、その2階。元夫はパンづくりに専念し、みち子さんはすべてを担当することに。販売やラッピング、店の飾りつけ、経理の諸々。近所の保育園に卸すことができたので経営は安定し、「パン屋を開きたい」という夫婦の夢は無事、叶えられたのだった。

そんななかで子どもも生まれ、家族は4人に。子育てをしながらの店の切り盛りは大変ではあったが、働き者で手際のよいみち子さんは、育児も仕事も器用にこなした。

同じく店の仕事をしてはいるが、育児と家事はみち子さんが一手に引き受けていた Photo by iStock

そうやって妻が成長していく一方、元夫は結婚当初と変わらない。
「なんて言ったらいいんだろ……。だんだんと精神年齢の低さとか価値観の違いが気になるようになって。元夫の仕事をする態度とか向き合い方で、もっとこうしてほしい、と思うことが増えてしまった」
それでつい、文句を言ってしまう。「私もけっこう気が強いほうだから…」