photo by gettyimages

「無人の街」ニューヨークでコロナ感染者が増え続けている理由

「保険料が高い」から病院に行かない?

毎日の「感染者数」

日本の友人から「なぜニューヨークは街に人が歩いていないのに新型コロナ感染者が増えているのか?」という質問をもらった。本質を突く良い質問だと思う。そして、ここに海外と日本との考え方の溝がある。

いま、日本のマスコミ(大手新聞、大手テレビ局)からの情報だけだと、どうしても毎日の「感染者数」が気になるだろう。だが、例えば「今日の東京の感染者が500名」でも筆者は驚かない。なぜなら、検査数(母数)が大事だからだ。仮に検査数が600件で感染者が500名であればたいへんなことだが、ニューヨークのように1日の検査数(5月2日の場合)が2万6894件のうちの500名であれば陽性率は1%台なので、率はかなり低いことになる。

ほぼすべての店舗が閉鎖されているクイーンズ区の街並み

そして、そもそも日本と違う点は、ニューヨークでPCR検査を受けるハードルが高くないことだ。ニューヨーク州では今後1000人中に30人のPCR検査することを目標にしている。つまり、経済活動再開の判断には、新型コロナの検査を絞るよりも、むしろより多くのデータが必要という考えなのである。

だから検査数の多いニューヨークでは感染者数はいぜん多い。だが、感染者は減少傾向にあり、自宅で回復する人が多いので入院者数も減ってきている。セントラルパークの野営病院も撤収した。現在、感染者数が多くても無症状の人や軽症者が大半を占めていると考えても良いだろう。

将来的にニューヨークは、10万人対し、入院者が3日平均で2人以下になった場合が自粛解除の目標数値。まだニューヨーク州の都市圏では「10万人に対し2人以下」が達成できていないので、人口が多いニューヨーク市の自粛解除は長引くことが予想されている。

 

質問をくれた日本の友人は5人家族。彼らがもしニューヨークに住んでいると、5人家族のうち1人がどこかで新型コロナに感染して帰宅すると、ほぼ間違いなく全員が感染する。しかし、5人中で症状が出る人は1人だけ。検査は拒否されないので感染者は5人になり、元気な人が4人いるといった感じだ。症状が出ている1人は軽症で済むのか重症化するのかはわからない、ということにもなる。