ハワイ・カウアイ島に配備されているイージス・アショア(米ミサイル防衛局)

イージス・アショア「秋田で見直し、山口は計画通り」の大きな矛盾

政府に無視される「地元の声」

弾道ミサイルに対処する地対空迎撃システム「イージス・アショア」の秋田市の新屋演習場への配備について、防衛省が配備を断念し、秋田県内で他の候補地の選定に入った。読売新聞や共同通信、NHKなどが6日、報じた。「地元の反対」が断念の理由という。

もう一カ所の山口県萩市のむつみ演習場への配備は、昨年12月のうちに防衛副大臣が地元に「唯一の適地」と伝え、ほぼ決定している。

「地元の意向」が判断材料になるのなら、むつみ演習場の正面に位置し、レーダー波(電磁波)をまともに浴びかねない山口県阿武町の花田憲彦町長や町議会も強く反対しているにもかかわらず、予定通り配備しようとするのは、なぜなのか。

「地元の意向」が示されたとしても、防衛省には「受け入れる場合」と「突っぱねる場合」というダブルスタンダード(二重基準)があるのだろうか。

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秋田の民意は「明確に反対」

まず、秋田市のイージス・アショア配備をめぐる地元政治家の動きを見てみよう。

秋田市の場合、候補地が秋田市街地に隣接することから、住民らは電磁波の影響や攻撃目標とされることへの不安を訴えていた。

今年1月20日、秋田県の佐竹敬久知事は防衛省を訪れ、河野太郎防衛相に申し入れ書を手渡した。防衛省は、候補地周辺で行った調査のデータに複数の誤りが発覚したことを受けて、再調査を実施中だった。

このタイミングでの佐竹知事の防衛省訪問は、再調査の結果が出るのを待たずに先手を打つ狙いとみられる。提出した申し入れ書には「説明資料が極めて杜撰」「住民への具体的な説明がない」とあり、「新屋演習場への配備は無理があるのではないか」と指摘した。