緊急事態宣言が延長され、さらに事業や暮らしがひっ迫してきた方も多いだろう。先の見えない日々の中、10万円の給付が始まり、8日から持続化給付金の支給も始まる見込みとなった。実はほかにも、「コロナによる減収」を救う制度は日々更新している。84歳の認知症父とふたりで暮らすフリーランスライターの田中亜紀子さんは、緊急事態宣言の出る直前の4月上旬、無利子の一時的な生活資金が振り込まれる、全国の社会福祉協議会が窓口の「生活福祉資金の緊急貸付」を申請した。そこでわかったこととは。

デイサービスでできていた
認知症父の生活リズムが…

世界中が新型コロナウィルスのせいでめちゃめちゃになっている、もはや元通りの世界には戻れない。細々とした活動ではあるものの、フリーランスのライターである私の仕事にも、徐々に影響が大きくなってきた。もともとなんの保証もない不安定な職業で、仕事をしなければどこからもお金は入ってこない。今は対面取材ができないため、取材自体がどんどん減っている。

しかも、私の場合、もう一つ悩みを抱えていた。コロナ禍が大きくなった3月後半から、同居している認知症の父の通所が激減したのだ。うちは小規模多機能型の事業所と契約していて、ここ最近は、父は平日の午前中そのデイサービスに通い、お昼を食べて、スタッフと一緒に夕食のお弁当を買って昼過ぎに帰宅していた。

認知症の中でもピック病の父は、気に入らないことがあると粗暴になったり、衝動的な行動を取るなど問題を抱え、ようやく通所のあるリズムのある生活となってから落ち着くようになっていたルーティンの中での生活がとても大切なのだ。しかしコロナ禍のせいで高齢者が集うデイサービスは、送迎時の消毒の強化や密度を減らすため、一度に集う人数を減らさざるを経なくなった。困ったところで、もし感染者が出たら、事業所は閉鎖。最悪は父も命があぶなくなるわけで、この対応はやむをえない。

とはいえ、父がほぼ家にいることで、食事の準備など物理的な負担とともに、父が妙なことをしないか、買い物にいきたい父が脱走しないかと不安が続く。また、イライラして粗暴になったり、言うことをきけなくなったりし、私の精神的負担は山のように増えていった。実は2年前の夏に、父は転倒して負ったひたいの傷を、自分の手で刈り込み、骨にする驚愕の事件をおこしているため、未だに私は家に父がいると気を抜けないし、長時間一人にするのは恐ろしいのだ。

仕事をしていると父親につきっきりでいることはできない。通所させるまでにも大変な経緯があり(別の記事に詳しい)、救急車にお世話になったこともあった。ようやく得ることができた安定した生活だった Photo by iStock

収入減がいつまで続くかわからない

そんな状態で、3月は相当仕事を減らさざるを得なかった。私たちの仕事は、入金時期はばらばらで、2ヵ月以上先になることはざらなので、金銭的な影響が出るのは少し先だ。でも確実にまずい時期はやってくる。そこで、早めに何か私が使える支援策はないかを調べることにした。

4月初め、政府の支援策がすでにいろいろ報じられてはいたが、困窮世帯への30万の給付の件は条件がはっきりしていなかったし、ほかのものは企業向けのものが多い印象だった。フリーランスのライターが頼れそうなものに上限100万円の持続化給付金があったが、この時は詳細が決まっていなかった。そんな中、SNSや仲間うちで「これいいかも!」と話題になっていたのが、厚生労働省の生活福祉資金貸付制度だ。これは、新型コロナウィルス感染症の影響で枠が広がり、各都道府県の社会福祉協議会の窓口を通し、緊急小口資金等の特例貸付を行うというもの。

貸付ではあるが、コロナで仕事が失業や休業、また減収したことを自ら申請して通れば、保証人なし、当面の間据え置き、無利子で現金を迅速に振りこんでくれるらしい。種類は2つで、一時金が出る緊急小口資金と、3ヵ月以内の生活支援が受けられる総合支援資金あわせると、最大80万円になるという。しかも将来的に条件を満たせば償還(返済)免除の可能性もある。そうはいっても、減収を証明する書類や手続きが面倒なのでは? 私の仕事の依頼は口頭、報酬の入金時期が前述したようにばらばらなので、減収を公的に証明するのが難しいのでは? など不安も頭をよぎった。