ほぼ全員が軽症であるのなら問題ないが、20%は重症化し、5%は重篤となり人工呼吸器などが必要になる。もともと日本はICUの病床数が先進国の中でも少ないことで知られている。5月6日、厚労省はICUに相当する病室(HCU:高度治療室などを含む)のキャパシティが増えたことを発表したが、人口10万人当たりのICU病床数は、日本は(ICUに相当する集中治療室も含めれば)約13.5床と、アメリカ(35床)とドイツ(30床)の3分の1で、余裕があるとはいえない※6

現在では、首都圏の感染症病床は以前よりも拡充され、医療崩壊のリスクは若干は緩和され、重症患者数も減ってきたが、まだ予断を許さない。今後、人工呼吸器やECMOの台数、またスタッフの人数に劇的な拡充が可能なわけではない。今のような「予断を許さない状態」はしばらく続くのではないかと思われる。

人工呼吸器装着者数の推移 日本COVID-19対策ECMOnet作成

国内ですら、ぎりぎりの状態が続いている。東京オリンピックの延期発表時、安倍首相は「完全な形で開催したい」と希望を述べていたが、仮に「完全な形で」オリンピックが行われたとしたら、再度の感染爆発リスクにさらされるかもしれない。無観客試合にすることや、選手村での感染予防など、工夫しなければならないことは山積みだ。先行きは非常に不透明だと言わざるを得ない。

※1 https://www.imperial.ac.uk/media/imperial-college/medicine/sph/ide/gida-fellowships/Imperial-College-COVID19-NPI-modelling-16-03-2020.pdf
※2 Kissler SM et al. Projecting the transmission dynamics of SARS-CoV-2 through the postpandemic period. Science. 2020 Apr 14. pii: eabb5793. doi: 10.1126/science.abb5793.
※3 Wang Y et al. Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial . 2020 Apr 29, https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31022-9
※4 https://www.niaid.nih.gov/news-events/nih-clinical-trial-shows-remdesivir-accelerates-recovery-advanced-covid-19?fbclid=IwAR3ciHjMs6Nz_hJCRd8NcEUHlb0Rvq6BsZ-bjmXvKPi_RB96urc-8DpOBZM
※5 Cai Q et al. Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study. Engineering (Beijing). 2020 Mar 18. doi: 10.1016/j.eng.2020.03.007.
※6 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627782.pdf