さらに、4月14日に科学誌『Science』に掲載されたハーバード大学のチームの論文※2では、新型コロナウイルスの流行を、風邪を引き起こす他のコロナウイルスの流行から数理モデルで予測し、最初のパンデミックが収まった後で、冬期に大きな波が来る可能性を指摘している。ICUのキャパシティを超えるなどの医療崩壊を起こさないためには、設定された条件にもよるが、2022年まで断続的な、社会的距離に関する介入が必要になるという。

ファーガソン博士による報告もハーバード大学の研究も、あくまで数理モデルの結果であり、イギリスやアメリカにおける予測が日本にそのまま当てはまるとは言い切れないが、長期化を考えるうえで考慮しなければならないデータだろう。

ワクチン開発には1年以上かかる

感染の終息にワクチンは必須だが、開発に少なくとも1年以上かかることも、東京オリンピックの来年夏の開催が現実的ではない要因だ。現在、いくつかのワクチンが臨床試験に入っているが、ワクチンが実用化されるためには長い時間がかかる。

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ワクチンの開発段階では、人への副作用や効果を確かめるために第1〜第3相の臨床試験が行われる。第1相では、開発されたワクチン候補となる薬剤を少数の人に投与し、副作用などが出ないかをみる。続く第2相で投与量や投与スケジュールなどを確定し、第相で大規模な安全性、有効性を確かめる臨床試験を行った上で、初めてワクチンは承認され、使用できるようになる。さらに、量産できるようになり、ある程度の人口に接種するとなると、非常に順調にいったとしても、さらに2、3年以上はかかってしまうだろう。