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「ペイペイキャンペーン」という無間地獄を生み出した「経営の愚さ」とは

「キャンペーン経営」は無意味だ

異常ともいってよいほどの熱狂

最近は中共(武漢)肺炎ショックの影響もあってか派手な行動は下火になっているようだが、一時期のPayPay(ペイペイ)キャンペーンは異常ともいってよいほどの熱狂ぶりであった。

例えば、「50回に1回全額(最大10万円相当まで)戻ってくる『感謝デー限定PayPayチャンス』」なるものが開催されたほどだ。もちろん、50回に1回だから「2%×50回=100%」で、平均的な確率で言えば2%の還元にしか過ぎない。しかし、くじがあたれば10万円の上限があるとはいえ、「ただで買い物ができる」ということになる。

大いに射幸心をあおり、その他の多様な還元策とも相まって、PayPayの登録者を増やしたし、同業の多くも追随した。もっとも、資金力で太刀打ちできないところが多く、2020年1月には、Origami(オリガミ)がメルカリに買収(子会社のメルペイの完全子会社化)されると報道された。

画像:PayPay公式サイトより引用
 

しかし、このような「消耗戦」を行って意味があるのだろうか? これらの競争は、言ってみれば「おまけ商法」である。顧客は、スマートフォン決済(キャッシュレス決済)という商品の品質で選ぶのではなく、「還元というおまけ」で選択しているだけだ。

私以上の世代であれば「仮面ライダースナック」というものを覚えているであろう。1袋20円のスナック菓子で1971年から1973年初頭までカルビー製菓(現・カルビー)が発売した。

スナック本体ではなく、おまけの仮面ライダーのトレーディングカードを集めることが社会現象と呼べるほどの大ブームとなったのだ。

おまけのカードを集めている人間にとっては本体のスナックは無用の長物であり、近くのどぶ川に数十個単位で投げ捨ててあるのをよく見かけた。食欲旺盛な子供時代、食べられないカードよりもスナックの方に興味があるという少数派であった私はそれを悲しい思いで見ていた……

つまり、おまけに興味がある人は本体に興味がなく、おまけがなくなってしまえば(本体を)購入しないのである。

おまけ商法は典型的だが、企業経営で頻繁に行われるキャンペーンも全く意味がないことは、ピーター・ドラッカーやウォーレン・バフェットが繰り返し述べることである。