# 新型コロナウイルス

コロナ薬・レムデシビル、じつは「過剰な期待」をしないほうがいいワケ

本当に効く? 副作用は? 徹底解説!
村上 和巳 プロフィール

感染症研究所の「分析結果」を見ると…

さてこのレムデシビルについては、アメリカ国立衛生学研究所(NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主導し、世界68施設の重症新型コロナウイルス感染症患者1063人を登録した臨床試験の予備的解析結果が4月29日に発表されている。

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この臨床試験は登録患者を無作為に2群にわけ、一方にレムデシビル、もう一方の群には偽薬(プラセボ、おそらく生理食塩水)を最大10日間静脈注射し、主に患者の回復(退院あるいは通常の日常生活に戻れる)までの期間を評価したもの。

ちなみにこの臨床試験は二重盲検という形式で行われ、試験終了までは患者はおろか投与している医師も誰にレムデシビル、誰に偽薬が投与されているかは分からない。

 

知っているのはこの臨床試験のコントローラーと呼ばれる立場の人のみで、医師は臨床試験期間中に患者の症状の変化を淡々と記録する。予め誰にどちらが投与されているかが分かると、医師や患者のバイアスが評価に入り込む可能性があるため、これを防ぐ厳格な臨床試験のやり方である。

4月29日に発表された結果では、回復までの期間はレムデシビル群が11日、偽薬群が15日、患者の死亡率はレムデシビル群が8.0%、偽薬群が11.6%となった。

いずれも数字だけをパッと見ればレムデシビルの方が良好な結果に見える。

しかし問題はこの解釈だ。結論から言うと、レムデシビルは回復までの期間を31%短縮させ、この点では意義があるが、死亡率は低下させないとなる。どういうことか?