# 離婚 # 見合結婚 # 同棲

「夫が粗大ゴミにしか見えない…」離婚で幸せになる人、不幸になる人

『離婚の経済学』著者によるエッセイ①
橘木俊詔

見合結婚の方がうまくいく?

ここで1つの話題を提供しておこう。それは恋愛結婚と見合結婚の違いである。

戦前の日本では家制度の下、見合結婚が多かった。戦後になって自由主義と民主主義の時代となり、男女の恋愛も自由に認められるようになった。

そうすると恋愛結婚の増加が見られたが、見合結婚も相当数存在した。その後恋愛結婚の増加と見合結婚の減少という時代が続き、今では恋愛結婚が大多数派である。

ここで1つの事実が存在する。

それは見合結婚の夫婦よりも恋愛結婚の夫婦の離婚率が高いのであった。これは何を意味するのか、いろいろな話題、解釈がありうる。

第1に、恋愛は惚れた腫れたの一時的な愛情の塊りの末のこともあり、逆に短期間で愛情の冷める可能性を秘めている。しかも、愛情にほだされて、相手を客観的に見る眼が多少欠けていたかもしれない。

第2に、見合結婚の場合は相手の人物、背景、性格、家庭状況、などをよく見ていて、冷静に判断した上での結婚なので、似たもの同士の可能性が高い。似たもの同士というのは離婚の確率は低い。お互いの欠点を容認するところがあると言えるからである。しかも冷静だけに我慢強いところがあるかもしれない。

 

夫婦は合わせ物離れ物

こう述べてくると、恋愛結婚の夫婦は離婚しやすく、見合結婚の夫婦は離婚しにくい、という説明の1つにはなりうる。もとより人間社会には男女ともにいろいろな人と、いろいろな条件の下にいる人が存在するので、結婚・離婚を恋愛か見合かの差だけで説明するのは不適当である。ここでは一昔前は離婚の少なかったことと、今では離婚の多いことを説明する1つの要因を示したにすぎない。

むしろ興味のある話題は、では離婚しないのが幸福なのか、と問われればまた別の話題が登場する。我慢に我慢を重ねて嫌な相手と一緒にいるよりも、スパッと別れて一人身になった方がよほど幸福かもしれない。

統計によると、離婚当初は絶対に嫌な人と別れた人は幸せを感じるが、一般的には不幸を感じる人が多い。でも、時間が経過すると徐々に不幸の程度は低くなる。これとて離婚を望んだ人と渋々それに応じた人とでは、幸福の思いは当然異なる。

しかし、ここにもいろいろな条件(例えば専業主婦であればたちまち貧困に陥ってしまうことを覚悟せねばならないとか、子どもをどう考えるかなど)があることを思い出しておこう。この条件を無視できないなら、我慢して離婚しない方が幸福とまではいわないが、不幸でない可能性がある。

離婚する人の約3割が再婚に踏み込む。結婚はもうこりごりと思う人から、懲りずに再び結婚する人がいるのは、男女はどうしても魅かれ合うのか、その動機を『離婚の経済学』でも調べてみた。興味津々の話題と人間心理の複雑な動きを知ることができるので、離婚・再婚からもその妙味を味わってほしい。