# 同棲 # 離婚 # 見合結婚

「夫が粗大ゴミにしか見えない…」離婚で幸せになる人、不幸になる人

『離婚の経済学』著者によるエッセイ①
橘木俊詔

「夫が家にいる」状況が耐えられない

離婚の実態を調べると、離婚する人の年齢別の差というのが注目に値するテーマとなる。10年ほど前に「定年あるいは熟年離婚」という話題がマスコミを賑わした。男性が定年を迎えて退職して家庭にいるようになったとき、妻は離婚を申し出て夫を慌てさせるし、現実にもこの年代の離婚は多発していると報道された。

夫が外で働いているときは、妻は家でかなり自由な生活を楽しんでいたが、急に夫が四六時中家にいるようになると、「粗大ゴミ」にしか映らず夫に嫌気を感じるようになったとされた。特に家事に非協力的な夫の姿に不満を抱くようにもなっていた。

この年代であると子どもはもう大人になっているので独立しており、子育てという義務からは解放されている。さらに離婚しても年金額がかなりあると信じられて、ここはいっそのこと一人身になって夫に邪魔されない自由な人生を送りたい、と思うようになったのである。

ところが実態は期待されるほどの年金が妻に渡ることが不可能ということが明らかになったし、妻の方も望むだけの自由な生活ができそうにないと知ることとなり、結局はこの熟年離婚は語られるだけで発生件数はそう多くなかった。

マスコミが独走して熟年離婚を煽った面があったと言える。

長年寄り添った夫婦の離婚というのはなんとなく「わびしさ」が漂うだけに、語られるだけのことで終了したのはよかったことかもしれない。

 

熱しやすく冷めやすい

離婚率の高い年齢層は若年に多い。しかも結婚後数年してからの離婚という数が多い。

一昔前には「成田離婚」という言葉のささやかれたときがあったが、これは日本で結婚式を挙げてから新婚旅行でハワイやヨーロッパに旅立ったが、帰国した成田空港でもう離婚をしていた、というやや極端な話題であって、若年離婚を誇張した言葉であった。

なぜ最若年層に離婚が多いのか。

これは恋愛で盛り上がった若年層が一気に結婚まで至ったが、すぐに相手に失望したか、愛情を失ってしまったか、あるいは結婚生活を続けられない事情(例えば失業したとか、所得が低いとかの理由)が発生したのか、さまざまな理由がある。

この若年層の離婚はアメリカにおいては特にティーンエイジャーにおいて深刻となり、一時は社会問題にまでなった。生活するだけのお金がない、小さい子どもを誰が育てるのか、子どもの学校をどうするのか、など簡単に結婚して簡単に離婚する若者問題であった。日本の若者はこれほどの激しい結婚・離婚のくりかえしではないが、離婚率の高いのは事実である。