10万円給付「ネット申請にマイナンバーカードが必須」の意味不明

1億人以上が持っていないのに
松岡 久蔵 プロフィール

昨年末ようやくiPhoneに対応

2016年1月のカード交付開始から4年が経過した現在、マイナンバー制度がほとんど忘れ去られた状態になっていることには、使い勝手があまりに悪いことも大いに影響している。

たとえば、制度が施行された2015年度時点では、政府が設けたポータルサイト「マイナポータル」はWindows・Android向けのみで、Mac・iOSでの利用は考慮されていなかった。先の中谷氏はこう話す。

「つい最近まで、マイナポータルは非常に利用しづらく、動作環境もかなり限定的でした。

電子申請をするためには、いくつか方法があります。ひとつはICカードリーダーをパソコンにつないで申請する方法。しかし、それ以外の用途にカードリーダーを使う人はほとんどいないので、購入のハードルが高い。

スマートフォンによるアプリ経由の登録も、スマホに慣れている人や、デジタルネイティブ世代でなければなかなか難しい。ましてや、以前はAndroid端末に限られていて、iPhoneは使えなかったんです。

 

総務省の研究会の調査報告によれば、日本のスマートフォンのシェアは、iPhoneなどのiOSが2018年6月時点で42.9%。国民の半数近い方が、マイナポータルの導入時点でスマートフォンアプリを利用することができなかったわけです。それでは誰も使いませんよ、と当時の委員会で主張しました」

これでは、マイナンバーやマイナポータルを広く国民に利用してもらいたいと政府が本気で考えていたとは、とても思えない。Mac・iOS対応がようやくなされたのは、なんと昨年末のことだった。